2015-01-01から1年間の記事一覧

父親

母親が亡くなって今年の12月2日で丁度7年になる。 昨日、一昨日と遅ればせながら実家でお線香をあげた。 母親と実家で最後に会話した時、母親は 「今年のお正月はどうするの?」という事を言った。 「今年はお正月にオペラがあって、お正月は帰れないな…

オーケストラの人間として

11月の27日と30日と2回ブラームスのピアノ協奏曲第2番を演奏する機会を与えられた。 指揮者はサッシャ・ゲッツェルさん、ピアニストはゲルハルト・オピッツさん。 このピアノ協奏曲の第2番はチェリストなら誰でも知るあまりにも美しいチェロのソロ…

金閣寺

オペラ「金閣寺」のリハーサルで挟む様に組まれていた定期演奏会が終わった。 そしてまた「金閣寺」のリハーサルが今日あった。その金閣寺のリハーサルに遅刻してしまった。 普段よりもっと早く出れば間に合っていた訳で、指揮者の下野さんを始め、ソリスト…

宗次ホール

「CoCo壱番屋」の創業者である宗次さんが建てた素晴らしい響きのホールが名古屋の栄のど真ん中にある。 客席数は310席。 室内楽にもリサイタルにも最適な空間。 過去に何度も宗次ホールでは演奏させて頂いた。 今回は「四季の日」という宗次さんがとにか…

目指すオヤジの1人

2、3年ぐらい前かな? チェロの門脇さんが入団してくれた直後にソッリマの「チェロよ歌え!」を演奏した時、ゲストのオーボエに元都響の本間さんが来てくれた。もちろんソッリマにはオーボエはないけれど、リハーサルやゲネプロを聴いていてくれたらしい。…

チャレンジ

(僕の職業はなんだろ?) と思う事もある。 「チェリスト」と言う事になるとは思うけれど、当然その中にも色んな職種がある。 当然ソリストではない。 やはりオーケストラ弾き、いわゆる「オケマン」なんだと思う。 その中で当然室内楽は重要なチャレンジだ…

ありがとう

9月の末に友人の入院する病院へチェロを弾きに行った。 彼のリクエストする曲をとにかく弾いた。 1時間弱だったけど、彼は時に微笑み、時には真剣な目つきで聴いていてくれた。 前にも書いたけれど、彼が中央大学の学生だった時、僕が中央大学のオーケスト…

誇り

オーケストラの赤字の根源は契約奏者である山本裕康であるとユニオンの掲示板に貼られる新聞に書かれたときは怒ったものだ。 自分の給料の額を見せてその新聞の責任者に抗議した事を思い出す。 その後、パニック障害になり、今に至る。 未だにそれは治らない…

「ロマンティック」

昨日の安保法案の参議院での強行採決ももちろんだけど、僕を取り巻く環境には今、怒り、悲しみ、辛さ等々ネガティブな出来事があまりに多すぎる。 ロシアでは「ニシンは頭から腐る」という諺があるらしいけど、今の日本はそれがよく当てはまりそうな現状だし…

記憶

金木犀の香りを「金木犀の季節だな」と思う様になったのはいつからなんだろう? 視覚的な記憶、聴覚での記憶、味覚の記憶、臭覚の記憶、さらには昔使っていた楽器を触ったときの手の感覚の記憶等々、あらゆる記憶がある。 聴覚での記憶は何か曲を聴いた時に…

憶う秋

今年の松本ほど、自分の人生を考えた事もないと思う。 親友にも相談したし、世界の原田禎夫さんにも相談させて頂いた。 そして二人からは答えを頂いたけど、それは完全に一致していた。 そろそろ僕も決断しなきゃいけない時も来るのだろう。 それがどんな形…

マーラーの5番

28日にファビオ・ルイージさんの指揮でハイドンの「熊」、マーラーの5番のシンフォニーを演奏した。 僕にとっては生涯忘れる事の出来ないコンサートとなった。 その演奏に対しての感想や評価はいろいろあるとは思うけれど、今後僕の人生に於いてこれ以上…

いつもの様に松本での生活を楽しんでいる。 数年前にこの松本に来る直前に首を痛め、歩けない程であった事を昨日の事の様に思い出す。 ここまで歩くのが精一杯だったなとか、ほとんどベッドに横たわっていたなとか。その恐怖が蘇る事もあり、基本雨が降って…

戦後70年

わずか70年前の事なのに何故「やった」「やらない」という論議になっているんだろうか?といつも思う。 僕は正直、どっちという事は言える訳もない。 戦争は確かにあった訳で、多くの方が亡くなった事は事実。 そんなわずか70年前の事が不明瞭なこの国で…

嬉しい2日間

8月10日、20代の若いプレイヤーから誘われて、室内楽のコンサートに参加した。 よくよく考えれば、上の世代の方から誘って頂いたり、同年代のプレイヤーに誘ってもらって室内楽を演奏する事がほとんどだった。 もちろん、オーケストラの業務として若い…

いつの間にか夏

もう一ヶ月半以上、ブログを書いていない。 6月1日からの京響のヨーロッパ・ツアーから帰国した後もひたすらもがいて必死に今日まで来た。 なんと忙しい日々だった事か。 本番の数だけでも身体を壊しそうだったけど、そのリハーサルもあり、その前の個人的…

明日から

宮崎国際音楽祭から帰ってすぐに2つの室内楽のコンサートを終え、そしてすぐまた京都に行き明日からの京響のヨーロッパ・ツアーの壮行演奏会のリハーサルと本番があった。 毎日が無我夢中で、自分は今日、何時に何処なのかという事もその朝何度も確認しない…

旅にでます

あっという間に4月が終わっていた。 追われていたとは思ってはいないけれど、 ホッとできる時間が全くなかったかな。 4月になれば少し精神的に楽になると思っていたのは間違いだったかな。 いろんな事があったな。 整理できてない。 今日、神奈川フィルの…

レストランで思った事

「グルメ」 という言葉を聞くと、とある地方でその地元でよくお世話になっている方に和食に連れて行ってもらった時の事を思い出す。 最後に白米とお味噌汁が出て来て普通に食べていると、 その方が 「お、新米だなぁ。そんな季節かぁ」とおっしゃり、お店の…

「ライン」

オーケストラ生活が25年にも及ぶのにこのシューマンの交響曲第3番「ライン」を明日初めてコンサートで演奏する。何故か縁がなかったんだろうけど、今回でようやくシューマンの交響曲は全て弾く事になる。 3年ほど前に「禿げ山の一夜」を初めて弾いて以来…

バッハとベートーベン

ぼんやり生きて来た訳ではないけれど、あっという間に49歳になってしまった。 そして来年は50歳になる。 それが僕にとって何を意味する物でもないし、記念に何かコンサートを企画しようとも思っていない。 ただ、今年中にベートーベンのソナタを全部やる…

25年

昨夜は3月31日オーケストラの日というオーケストラ連盟が主催するコンサートに神奈川フィルの一員として参加した。 円光寺さん指揮で「展覧会の絵」その他を演奏した。大学を卒業したての頃、丁度円光寺さんが仙台フィルの常任指揮者に就任した年に少しの…

4年という月日

毎年この頃になると、というよりいつでもフッと気付くとあの日の事を思い出したりしている。 マーラーの6番のリハーサルの最終日だった。練習終了後の2時46分。 同僚のオーボエの鈴木純子とアートホールの廊下で何を話していたかは全く覚えてないけれど…

2015 0306について

セントラル愛知交響楽団とのドボルザークの協奏曲が終わった。 限界と直さないと次に行けない課題が多く見つかったコンサートではあった。 十分に準備もして、風邪もひく事もなく、体調的には本当に完全な身体でこのコンサートに臨む事ができた。 ゲネプロぐ…

40代ラスト一周

50歳に向けてのラスト一周が始まった。 ここ2年は神奈川フィルの定期演奏会のコラムを書いていた事もあり、 まともにブログは書けなかった。 と言うのも2年前の様にこのブログに思い付いた事を書いてしまうと、所詮素人だから同じ内容の事を書いてしま…

門脇くんのハイドン

昨日、県立音楽堂でハイドンを中心としたプログラムの音楽堂シリーズの最終回だった。 その中でのリゲティの「ミステリー オブ マカブル」のソプラノの半田さんはリズムから音程までこれぞ完璧と言うもので、素晴らしい演奏だったと思う。我々の仲間である首…

文化の違い

「春の祭典」他を京都で演奏して帰ってきた。僕には本当に体力的に辛い日々ではあったけれど、収穫があった。 「春の祭典」は初めて演奏した時の恐怖感は幾分薄らいだ様に思えるし、 自分の中ではもはや古典とまでとは言わないけれど、十分ブルックナーやマ…

あけましておめでとうございます

なんとも間抜けな新年の挨拶になってしまいました。 ついに1月にブログを更新する事もできませんでした。新年早々大阪でオーケストラの仕事や野方でのリサイタル、コルンゴルトのコンチェルトからコントラバスの池松くんとのデュオリサイタルからすぐに名古…