誇り

オーケストラの赤字の根源は契約奏者である山本裕康であるとユニオンの掲示板に貼られる新聞に書かれたときは怒ったものだ。
自分の給料の額を見せてその新聞の責任者に抗議した事を思い出す。
その後、パニック障害になり、今に至る。
未だにそれは治らない。
辛いものだよ。
ホントに。


小学生の時、僕はいじめられっ子だった。
もちろん仲間に入れてもらえる事もなく、どつかれたり、鞄を隠されたりしてたな。
大事にしてた星座表をビリビリに破られた時に果敢にもその上級生と喧嘩をした。
窮鼠猫を噛むの言葉通り、僕は強かった。
その喧嘩で勝ってから、僕へのイジメはなくなった。
でもそのいじめられていた時の孤独感、絶望感は今でも忘れる事は出来ない。


僕は正義こそ全てだとは思っていない。
佐藤優先生が言う「魚は真水に住めない」という言葉に同意する事が多いな。
でも、僕はオープンでフェアであるという事を何故か好む。
どうしてそう思う様になったかはわからない。
何かあるなら言って欲しいし、言いたい。
意見が合わなくても、それは永遠と論議したっていいと思う。


原田禎夫さんが、もの凄く弾ける若いチェリスト室内楽のレッスンに来て、
カルテットを軽く考えている事を知った時、泣いて怒った。涙を流して怒った。
僕はそういう人間でありたい。
自分の誇りを汚す事に対してはどんな時であろうと、どんな立場の人であろうと、それは立ち向かいたい。



自分の誇りを汚される時?答えは簡単。
最も大事な音楽をないがしろにされた時。それは直接的でも間接的でも。
その時は法を犯す事はないけど、手段は選ばないと思う。