金閣寺

オペラ「金閣寺」のリハーサルで挟む様に組まれていた定期演奏会が終わった。
そしてまた「金閣寺」のリハーサルが今日あった。

その金閣寺のリハーサルに遅刻してしまった。
普段よりもっと早く出れば間に合っていた訳で、指揮者の下野さんを始め、ソリスト、合唱団、オーケストラの皆さんには迷惑をかけてしまった。
遅刻は本当にやっちゃいけないのに、この歳になってもまだ遅刻する自分に本当に腹が立つしげんなりする。


三島由紀夫氏原作の「金閣寺」。
金閣寺炎上が最も印象的なシーンではあるけれど、今日は練習場まで車であと5分と言う所のパチンコ屋さんで火災があり、道はほとんど消防車で埋まり、通行止めと相成った。
1時間近く全く動く事も出来ず、遅刻。車を放置して歩いて行っても十分間に合ったな。
練習場に着いた時は練習開始後3分経過してたからもう10分早く出てれば、、と悔やむ事しきり。
気をつけるしかないけど、本当に自分にがっかり。


その「金閣寺」。
最初に拝観したのが小学生6年の時の修学旅行だった。
(あぁこれが金閣寺ね)
程度の気持ちにしかならなかったのを覚えている。
覚えているのはそれだけ。
それでもその時に見た事は凄く後々に色んな事に影響を与えたし、重要だったんだなと今では思える。
その後、何度か金閣寺は拝観したけれど、どちらかと言うと僕は銀閣寺が好き。
銀閣寺の様な所に住みたいと思っていたし、実際今も思う。
今の金閣寺はちょっとキラキラ過ぎるな。

その金閣寺を放火する主人公の気持ちは今でも理解しがたいし、その崩れ行く、崩壊への美学はいつか納得する時がくるんだろうか?

今回、このオペラ「金閣寺」を弾く事が決まってから、遠い昔に読んだ三島由紀夫の「金閣寺」をもう一度読み、それこそ指揮者の下野さん一緒にこの秋に金閣寺を拝観した。
気合いは十分で、それに関する書物も読んだり、下野さんから、初演の時のエピソードも沢山教えて頂き、もの凄くこの仕事は楽しみだった。
そしてリハーサルが始まってシーンごとの音楽を僕なりに聴こえて来るものを考えたり想像したりしながらの時間は愉快だった。
ついに今日初めての歌手の方々、合唱との合わせの日で相当意気込んで行った結果が遅刻。

あまりにも気分は落ちたし、あれだけずっと1時間火災を見ていた為か、金閣寺が炎上するシーンもなんか心の中では心ここに在らずで本当にダメな一日となってしまった。
こういう時こそ、普段以上の仕事をしなきゃいけないのに、その逆をやってしまい、そんな自分にもイラついた。がっかり。
明日一日置いて、明後日からHP2日間、GP2日間を経て、二回の本番が来週の土日にある。
なんとか今日かけた迷惑を取り戻す以上の仕事をしたい。

そして明日は定期演奏会と同じプログラムでミューザ川崎ブラームスのピアノコンチェルト2番とコルンゴルトシンフォニエッタの公演。
まずは明日だな。