麒麟ビール

明日の25日、定期演奏会がある。
指揮者は下野さん。
ハイドンのトランペット協奏曲やシェーンベルグがオーケストラに編曲したブラームスのピアノカルテット第1番など。
下野さんは相変わらず丁寧で知的なリハーサル。
オーケストラの色合いがその下野さんの指摘の度に変わって行く。音符が踊りだす瞬間が良いのよね。さすがです。
素敵な時間です。

変な話、どれだけビッチリと練習しても疲れない事もあれば、早くリハーサルが終わってしまった割にもの凄く疲れている事もある。
下野さんのリハーサルは前者。
とても充実した3日間だった。
明日の演奏会は楽しみだな。
ハイドンのトランペット協奏曲は神奈川フィルのソロ・トランペットの三澤くん。若く期待の素敵な演奏家
今日、
「明日の本番では上・中・下と伴奏のランクがあるけど、どれがいい?」
と彼に聞いてみた。
「下でお願いします」
と。
「いやいや、選ばせておいて申し訳ないけど、下は難しいのよ」
明日は彼が安心してハイドンを楽しみながら演奏出来る様に兎に角いい伴奏をしたい。


という明日の定期公演の前に、生麦にある麒麟ビールの本社に伺い、ブルーダル基金への寄付のお礼の演奏に行く。
麒麟ビールにはアマチュアチェリストのお弟子さんがいて、12月に大手術をした。28歳とまだ若いけど、それは大手術だった。
彼とは一昨日会い、会社にも復帰したという。
そんな彼の頑張りに対して、また「1ケース対象商品が売れたら○○円神奈川フィルに寄付」という事をして下さる企業様に対して、夜が定期演奏会だろうとなんだろうと僕は喜んで弾かせて頂く。
感謝の気持ちは、僕は演奏でしか返せない。
というか、恩を返せるような演奏をしないといけないのは当然なんだけど、
こうやって多くの個人の方々や企業に支えてもらうに恥じる事のないオーケストラでありたいし、また、その中の誇り高き1人の演奏家でありたいと思う。


明後日は石田くんとやはり寄付を頂いた川崎の病院に出掛けてお礼の演奏に行く。その後、オーケストラ本体と一緒に和歌山、大阪の旅に出る。