40代ラスト一周

50歳に向けてのラスト一周が始まった。
ここ2年は神奈川フィルの定期演奏会のコラムを書いていた事もあり、
まともにブログは書けなかった。
と言うのも2年前の様にこのブログに思い付いた事を書いてしまうと、所詮素人だから同じ内容の事を書いてしまう危険性があったし、何しろネタが切れる事を極度に恐れていた。
とは言え、あのプログラムに書くコラムは結局は全く違うような内容になっていた様な気もする。
その3月号の原稿ももう提出したし、この3月で晴れてプログラムへのコラムは卒業という事になった。

やはり僕には月に1回の締め切りがあるだけでもういっぱいいっぱいだった。
毎回締め切りの日の明け方に送信していた。
空が明るくなって送る事が普通だった。
特に、本職である楽器を弾く事が忙しい時などは食事をしている時、車を運転している時、新幹線で移動している時に何を書こうかいつも考えていて、次の日の仕事が朝からではない日の前日の夜12時頃から書き始め、朝送信して、そして仮眠を取ってから昼からの仕事に出かけるというのがほとんどだった。
余裕を持って原稿を送った事がない。
だから週刊誌に連載してたり、新聞に連載してらっしゃるプロの物書きの方々を心から尊敬する。
僕にはブログで好き勝手な事を書いたりTwitterで呟くのがやはり良いんだと思う。
これからはまたブログに少しずつ思った事を書いていこうと思う。
意外にこれが日記になっているから。
昔のを読むとそれはそれで懐かしいし、こんな事考えてたんだなと思うし。


49歳になり何が変わったという事もないけれど、チェロを弾く事、音楽に対してはより一層真摯な態度で勉強しようと思う。
幸運な事に、今まで本当にいろんな仕事をさせてもらって来た。
頂いた仕事はいつでもどんな時でも何でもやって来た。
それが良かったのか悪かったのかはわからないけど、生きる上では無駄な事は何一つなかったと思う。
昔から今やってる事が5年後10年後に出ると思ってきた。
だから、今の僕は5年前、10年前の僕がやってきた結果でしかない。
急に上手くなる訳でもない。
急に下手になる訳でもない。
10年前の事の結果が出てるだけの話。

それをやはり想って、また頑張るだけなんだろうなぁ。
チェロについて確信を掴んだこともない。
オーケストラで絶対こうすべきだ、と思った事もない。
室内楽でこれが真髄だと思った事もない。
いつも手探りだ。
頂上の見えない山を登っているのは本当に大変な事だな、という事は理解できた。
50歳まであと1年と言っても、何を変える事もないだろうなぁ。
基礎の練習、音階を弾く時間を長くしようと思ってるぐらいかな。


49歳の最初の演奏会は3月6日のドボルザークのチェロ協奏曲。
セントラル愛知交響楽団からその依頼を受けたのが1年以上前。
その間にショスターコービッチ、ブラームスR・シュトラウスコルンゴルトなどの協奏曲を弾いて来た。そして今回のドボルザークなんだけど、結局一番難しいのかもしれない。
お客様のほとんどが知っている曲だし、それぞれいろんな想いがある曲だし。

ドボルザークが故郷のチェコへの想いが詰まった名曲を故郷を想いながら故郷でこの曲を弾ける幸せをもう少し噛み締めないといけないなと思う。
40代ラスト一周の最初の山、ドボルザークのチェロコンチェルトを是非超えてみたい。
その感想をまたブログに書きたいと思う。