松本からの手紙 7

サロメの初日が終わりホッとする間もなく昨日はベートーベン・プログラムのコンサートがありました。
指揮者は山田和樹さん。昨年のブザンソンの指揮者コンクールで優勝された若手指揮者です。
だいたい、僕もこのサイトウキネンオーケストラで弾くことは相当なプレッシャーでもありますし、しかも昨日は首席を弾けとのご命令でしたから、そのプレッシャーは相当なものがありました。そこの指揮台に立つわけですから、それは僕には想像を絶するプレッシャーがあったのではないかと推察します。


コンサートは成功しましたし、山田和樹さんには心より拍手をしたいと思いますし、今後の活躍を楽しみにしております。しかしながらベートーベンの7番のオーケストラ、特に弦楽器の鳴り方は尋常ではなく、驚愕しました。
小澤さんが作り、大事にしてきたサイトウキネンの音はこれなのかと。
とにかく凄い音でした。
そして思ったのは、ベートーベンの肝はセカンドバイオリンとビオラの刻みです。ここに魂があれば、すぐにベートーベンの世界に行けると思います。


今日はオフですが、毎年恒例の飛騨古川の小泉邸に伺います。メンバーは知る人ぞ知る「赤パンカルテット」。
各自練習してから夕方出発です。ゆっくりまたいろんな音楽談義ができるのを楽しみにしています。
小泉さんには6月の定期でブラームスの1番で名演奏をして頂いていますし、実は11月にも桐朋オーケストラアカデミーに僕が行く時も小泉さんでブラームスの1番ですから、ちょっとブラームスについて語って頂きたいと思っているわけでございます。


あの飛騨古川の古民家の小泉邸は、本当に心安らぐ所なんですよね。
また報告したいと思います。