サイトウ・キネン日記 2

小澤さんのすごさは懐があまりに大きなところだと思いました。
果たして僕があの年齢になり、しかも世界の山本と言われていると仮定して、あれだけ人の意見や話に耳を傾けるかと言ったら僕はまるで自身がありません。オーケストラのメンバーの意見を聞き、しかもその奏者の個性を最大限引き出しておいて最後は小澤さんが締めるという事は、できそうでなかなか出来ないような気がします。小澤さんも世界中のオーケストラを振ってこられて、その域に到達されたんだと思いますが、その人間としての力があの音楽を生み出すんでしょうね。
音楽がどうとかではなく、やはりああいう「でかい」人間になりたいと心底思います。

戦争レクイエムで一か所どうしても左手のテクニックが追い付かないところがあります。
それを岩崎洸さんに言ったら、この指でやれば大丈夫じゃないか?と言われ、さっそく試しました。

さすがです。
そのとおりです。
気づきもしなかったなぁ。
学生時代から多少は成長したと思うこともありますが、やはり先生方もそれ以上に成長されています。
全然かないませんね。