4月が終わった

以前はチェロを教えると言う事に凄く躊躇していた。
あまりに自分の中で完結していたり、多くの人から学んだ事や教えて頂いた事を自分の中で組み合わせ過ぎていて、独善的でありすぎると自分を考えていたと言う事もあるけれど、芸大で生徒さんを教えてくれないかと言って頂いた時、実は断りの電話を入れた。
室内楽は今までもいろんな形でやってきたとは言え、特定のカルテットやピアノトリオをやっていなかったと言うのに「室内楽は教えたい、伝えたい」と生意気にも思っていた。
でもチェロはかなり躊躇していたのは事実。
その生徒さんに対しての責任に耐えうる自信もなかったのも当然ある。
でも当時誘って頂いた先生に電話で多くの話をして頂き、引き受けさせて頂く事にした。
それから月日も経ち、今年からは4つの大学で非常勤として教えている。
と言っても全部合わせて生徒さんの数は9人。
多いのか少ないのかはわからない。

今でもレッスンが終わった後にこの進め方で間違ってないのか?と凄く心配になる。
自分の思った事を言えば良いと到底思えない。
生徒さん達とは背の高さも体重も腕の長さや太さ、骨の太さ指の長さや特徴、もちろん男女の違い等々、同じ部分はまるでない。
各々の生徒さんに対して言う事が違って当然だし、それを辛抱強く言い続けられるのか、それとも途中で軌道修正をした方が良いのか、いろんな事を考えるととてもじゃないけど身体が持たない。
それだけに集中したいという想いもあるけれど、継続的にオーケストラの仕事にも追われ、それ以外の演奏会の事も考えると、本当に1日24時間では足りない。
今年から生徒さんがの数もぐっと増えて9人になった為もあるし、初めての学校も2つあり、身体もさることながら精神的にも辛い一ヶ月だった。

今、その4月をずっと思い返しながら今後の策を練っている。
生徒さん達はみんな真面目でみんな頑張ってる。
少しでも彼らの為になる事が言えたらいいなと思う。
チェロが上達する事もさることながら、卒業した後、独りになっても自分で勉強出来る術を身につけてもらえたらと願っている。

明後日からは恒例の宮崎国際音楽祭だ。ここで上村昇さんや原田禎夫さんに「教える事」についてまた教えてもらおうと企んでいる。