驚き

少し前に神奈川フィルのバイオリンのオーディションがあり、一人が残って、今第3次選考というものに身を置いている。その第3次選考試験と言うのは、少し前は「使用期間」「プローベツァイト」と呼ばれていたもので、その名前がいつ変わったのか知らないのだけれど、一人で弾く予選に加え、一緒に仲間と弾いてどうなのかと言う事を審査するものだ。
そのバイオリンのオーディションの時に、セカンドバイオリンの方が定年されると言う事で募集した訳だけど、
募集は「バイオリン」という種別であった。
僕はセカンドバイオリンを募集すると思っていただけにとっても驚いた記憶がある。
ユニオンの方にも聞いてみたけれど、言う事は理解できるけど、僕自身は納得はいかなかった。
今、全国のオーケストラで、ファーストバイオリン、セカンドバイオリンと分ける事なく「バイオリン」として募集するオーケストラはどれぐらいあるんだろう?

アンサンブルやカルテットなどでファーストバイオリンとセカンドバイオリンを交互に弾いたりする事があるのはよく知っているけど、オーケストラはどうなんだ?
僕は専門性と言う物が必ずあると思っている。
最近セカンドバイオリンの首席奏者としてのオーディションを受けてくれてそして入団してくれた素敵なバイオリニストがいたから、当然その専門的な仕事をやりたいと言う人を募集するのが本当だと思っていた。
そして今第3次選考の最中の彼はセカンドバイオリンをやり、今度はファーストバイオリンを弾くと昨日聞いた。
そして、あなたはこのパートになって下さい、というのは誰が決めるんだろう?
だって、その前にセカンドバイオリン首席は全ての人が投票して決めたではないか。
今回もそれを全員で投票する事になるんだろうか?
その誰がそのパートを決めるのかも知らない。バイオリン族の人が話し合うんだろうか?
そういう曖昧な基準は、オーディションを受けてくれる方々に対して失礼だと思う。

ユニオンの方の説明だと、今はファーストバイオリンとセカンドバイオリンは決まっている訳じゃないと言っていた。契約奏者を除き、決まっているのはセカンドバイオリンの首席だけだ。
極論「はい、来年度からはファーストバイオリンとセカンドバイオリンを全て入れ替えます」という事も出来るという事だ。
こういう事を1つ1つ整備しないと、とてもじゃないけれど、先には進めないと思う。