松本 9

そんな訳で親友達には本当に助けてもらった。
楽器を持って歩けない僕をフェスティバルの前半はタクシーでわざわざ拾ってくれて劇場に連れて行ってくれてたし、しょっちゅう温泉につれて行ってもらったし、オーストリアの秘薬だという塗り薬をくれたり。
彼らには足を向けて寝ていたけど、もう足を向けて寝れないな。


演奏会では多分記憶としては痛かったんだろうけど、音楽の凄さと周りのメンバーの凄さにただひたすら音楽や弾く事に集中できた事は奇蹟の何者でもない。
コンサート後のダメージは予想以上ではあったけど、そんな事はどうでも良い事だった。
でも間違いなく1番辛かったのは小澤総監督だと思う。小澤さんからメンバー宛に送られて来る自筆のFAXがよく楽屋に貼ってあり、その無念ぶりは半端ではなかっただろうと推察した。「小澤さんの為にも」という気持ちも強かった。


サッカー日本代表の本田選手が怪我をしてほぼ1年棒に振ったときのインタビューで
「この怪我でもの凄いパワーアップ出来ると思ってたし、その通りだった」
と言っていた事が僕をもの凄く冷静にさせてくれた。
何か僕にはこの怪我は良い方向に繋がると思えたし、とくにイライラする事もなかったのは本田選手のおかげ。


twitterでわざわざ美味しい洋食屋さんを教えてくださる松本の方や「ブログを読みましたけど、こんな薬が良いですよ」とか「この病院はホテルからも近いしいい先生ですよ」などとtwitterで教えて下さる松本在住の方、タリーズでは励まされ、病院では本当に親切にしてくださり、これほど多くの方々に感謝した夏は多分今年が初めてだと思う。


今、松本にいるなら松本駅の真ん前で土下座して「ありがとうございました!」と叫びたい。
この恩を返すには1年間さらに猛勉強をして、いい演奏をするしか僕には方法はないけど、必ずそうしたいと思う。
その前に、またサイトウキネンに選ばれる様に勉強する事が先でもあるけれど。


この恩は忘れない。絶対に恩は返します。

Thanks a lot City of MATSUMOTO and people of MATSUMOTO !!!