松本 7
いよいよ最終盤。後は2つのコンサートを残すのみとなった。この9月からは心から大好きな、そして尊敬する原田禎夫さんが合流。
当たり前だけど、チェリスト、音楽家では尊敬する人はいっぱいいる。その中の1人ではもちろんあるけど、あの生き様に憧れるのが禎夫さん。
どんな?
と聞かれてもなかなか説明するのが難しいけど、頑固なところと柔軟なところのバランスなのかなぁ。
それも半端のない頑固さと半端のない柔軟性。
もちろん身体が柔らかいのではない。
思考の柔軟性は素晴らしいとしか言い様がない。
チェロの事は聞けば相変わらずそれはそれは親切に教えて下さるし、僕等がとても年配の方には言っちゃいけないような事を言ってもその上を行くジョークが返ってくる。
あんな大人になりてぇ。
でも、彼から発する言葉には必ず重要な意味が隠されている。
それを読めるようになると禎夫教に入信出来るのだ。
「俺さぁ、もし死んでもお墓には絶対入りたくないし、入らない」
「え?なんで?」
「だって、暗いだろ?あの中」
みんなが笑う。
ここじゃないのよ。重要な所は。
親しい奴らに墓参りさせるのが悪いんだよ、というメッセージが隠されているのが禎夫さんの言葉なんだよな。
音楽もあの含蓄ある言葉も、俺はまだまだだぜぃ。