松本 6

何かと今年バタバタしていた事もあり、なかなか出来なかった事がある。
でも、今年の夏、首肩が壊れて唯一出来た事が「読書」。

サイトウキネンオーケストラでは弾く事に命がけだったけど、他の時間の多くは読書に時間を投じる事が出来た。おかげで松本で数冊読み終える事が出来た。

読書でよく言われるのは、読んだ知識や思想をそのまま自分の考えとして人に語ってしまう事が1番危険であると言う事。
僕は影響されやすいのでどうしてもその危険がつきまとう。

松本での時間は、読書した後その事に関して熟考出来た事は大きい。でもまだまとまらない事も多々あるし、自分なりに答えを出した事もある。
やっぱり人間、時間が必要。考える時間。
僕にとってチェロを練習する事が最も必要な事ではあるけれど、あらゆる事をインプットして熟成させる時間がないと、音楽もその他の事も自分の血や肉にはならない。

こうして自分が身体を壊した事を肯定的に捉えているけれど、実際辛かったとはいえ、良い時間を過ごせたと思ったし、再確認出来た事もかなりあると思っている。オリンピックを全部見る事が出来たという事も言ってみればラッキーな事ではあったけど、それ以上に、本の事、オペラの事、アルペンシンフォニーの事、ベートーベンの事、そしてオーケストラの事など寝る前に考える事も多かった。

さて今日から再び松本。
ベートーベンの「コリオラン序曲」、「合唱幻想曲」
そしてプロコフエフの「古典交響曲」の3曲。

もう秋の気配を漂わせる松本。
頑張っていこうぜ。