復活、チェロ・リパブリカ

チェロ・リパブリカの最後の公演からもう2年ほど経過したでしょうか?

あの一連のコンサートに毎回来て頂いていたお客様、お元気でしょうか?
今回、7月9日にチェロ・リパブリカの番外編のコンサートを銀座のヤマハホールで行ないます。

僕は学生時代、故・井上頼豊先生、秋津智承先生、山崎伸子先生にレッスンを受けておりました。
その秋津先生ですが、ご実家がお寺でお父様がご住職でいらっしゃるのですが、そろそろ秋津先生がその住職になられるという事もあり、秋津門下の3人と秋津先生でチェロカルテットをしようと言う事になり、ついに実現する事になりました。これまた昨年からいろんな機会にやろうとしていましたが、全くスケジュールが合いませんでしたが、奇跡的にこの7月9日に4人のスケジュールが合いました。

ご住職になられると本当にコンサートを予定する事も難しくなるでしょうし、なんとか弟子とのチェロカルテットをと古川くんが相当強く主張しまして、実現にこぎつけました。
メンバーは、
秋津智承(元大フィル首席)
古川展生都響首席)
服部誠(東フィル首席)
山本裕康(神奈川フィル)
の4人です。

秋津門下の発表会、そして秋津さんのソロをたっぷりと楽しんで頂けるコンサートになるはずです。なんと行ってもチャイコフスキーコンクールで入賞されていますからね、秋津さんは。その本選で弾いたチャイコフスキーの「ロココ・バリエーション」も秋津さんに弾いて頂きます。

後は4人ともオーケストラの首席という仕事を長くしておりますので、オーケストラの曲に出て来る「チェロのソロ」をメドレーにしたオーケストラ・ソロチェロ・アラカルトとでも言いましょうか、それを新進気鋭のチェリスト兼スーパーアレンジャーの小林くんという若者にアレンジを依頼して演奏いたします。これが凄いんだまた。まあいい。練習するよ。

秋津さんのお寺で我々3人は毎年合宿をしておりました。
早朝から境内を掃除し、お父様でご住職のお経を聴き、身を浄めてからレッスンという毎日でしたし、秋津さんの僧侶の友人の講話を聞いたり、充実した合宿でした。それを僕が35歳ぐらいまでやっておりましたから、仕事に疲れたり、行き詰まったり、悩みが深かったりした時の文字通り我々の「駆け込み寺」でした。
なのでこの4人の結束は固い。

が、やはり先生でありますから、その先生を目の前にしてどれだけ普通に弾けるか、これが大きな壁なんだよな。ベルリンの壁なんてもんじゃない。

我々一人一人、学生時代からすればそりゃ多少は成長したと自負しておりますが、だいたい師匠と言うのはどんどん先に行っちゃうんですよね。永遠に追いつかない。差は開く一方。まあ追いつく様な師匠でもこれはこれで困りますが。

チェロ・リパブリカといえば「プログラム」。曲目ではなくお配りするプログラム。毎回類を見ないプログラムを作っております。それが意外にも評判がよく、
「演奏会は行けないけど、プログラムだけは頂戴!」とか「演奏は特に聴かなくても良いからプログラムを送って」という方がかなりの数いらっしゃいます。絶対に差し上げません。ご来場下さった方のみお配りいたします。今回も頑張って書きますよ。そして絶対にあり得ないプログラムを作りたいと思っています。

まあそんな事で6月もよっぽど頑張らないと。

覚悟の6月です。

この演奏会を成功させて、少しでも師匠に恩返しをしたいと思っています。

チェロ・リパブリカ、番外編ではありますが再稼働です。