函館へ

宮川彬良さんと函館へ。

結構久しぶりの函館。
函館は過去3回訪れています。最初はカルテットで、次はメサイアを弾きに、そして3回目は三枝成彰さんの12人のチェリストによるコンサートで。

その12人のチェリストのコンサートでは旧函館公会堂で演奏しました。しかしそこは靴で入る事も許されず、舞台でエンドピンを刺す様な事があれば即拘束、というぐらい厳しかったのを覚えています。
そりゃそうです、国の重要文化財に指定されていますから。

舞台に上がる時まではいわゆる「緑のスリッパ」を履いていなくてはいけなくて、本番のみ靴の着用は認められていました。
エンドピンは12人全員にゴム製の「ストッパー」を配られまして、絶対に舞台を傷を付けてはならないと厳命されておりました。

舞台に出て行き、1曲目を演奏する前にそのゴム製のストッパーの位置を決めようと下を見ると僕はなんと「緑のスリッパ」を履いたまま舞台に出て来てしまった事に気付きました。
それから1曲目は何を弾いたか、どんな演奏したかなど全く覚えておらず、兎に角その「緑のスリッパ」を目立たせなくする為の事しか考えず、長くもない曲なのに汗だくでした。
その曲が終わった後、三枝さんのトークがありましたのでそーっと履き替えに戻ったのですが、静かに歩こうとすればするほど ペッタンペッタンと音がして、まあ何とも恥ずかしい一夜を過ごしたのが最後に函館を訪れた時のエピソード。

それ以来の函館。
函館から帰るとすぐにいよいよ水戸芸術館で親友のレコーディングが始ります。