新宿

今日は同僚がN響に移籍すると言う事で、餞別のプレゼントを選びに新宿へ。
同僚の石山は僕と全く同じ年齢。そしてオーケストラで唯一のドラゴンズファン。これで一人になってしまったよ。


僕は彼のホルンが大好きだ。
1音で彼が何を思いながら吹いているのかが聴こえてくる。
それはハーモニーだったり、チェロとのタイミングだったり。
2番吹きとしてはこれほど素晴らしいホルンはそうそういないと思ってる。
神奈川フィルにとってはとても痛いけど、ホルン奏者としていなくなる事もさることながら、彼の生き様やホルンや音楽に対する姿勢をこれから入って来るだろう若い奏者の見本として彼の様な人物がいなくなる事が本当に痛い。

そんな彼に何をプレゼントしたら良いのかいろいろ考えた挙げ句、購入。
身体に気をつけて頑張って欲しいし、また彼の様な人間に後進の指導にあたって欲しいと願ってる。

そんな新宿が僕は何故か相当好きなんだよねぇ。
山手線でも「新宿」「渋谷」「池袋」「東京駅」「上野」と大きな街があるけど、僕は完全に新宿派。
もちろん京王線沿線に住んでいる事も大きいけど、何か新宿が好きな理由があるんだろうなと思いながら歩き回った。
僕の1年目の入試(すいません、浪人しているもので)は新宿の稲葉旅館という所に10日間いた。僕がホテルを予約しようと思った時には全てのホテルが満室だったし、電話でいろいろ探したけど、要約その稲葉旅館が空いていた。
そこの朝食、晩飯が異常に豪華で、今でも宿泊したいぐらいだった。でももはやあの旅館は再開発でとっくの昔になくなってしまっている。

初めて一人で東京に出て来た時に10日間新宿をブラブラ歩き回ったのよね。
だからこの超でかい街にワクワクしたし、まだまだ何かが一杯隠れているはずだと当時思った気持ちがまだ僕の何処かにあるのかもしれない。
京王線と新宿。
鮭と一緒で最初に滞在して最初に住んだ沿線からはどうしても離れられなく、そしてやっぱりここに戻って来てしまうんだな。
なんだか懐かしく哀しく寂しい気分になり、衝動的に腕時計を買ってしまった。

28年前の想い出で感傷的にはなるし、石山がいなくなる事も寂しく目頭が熱くなった。