松本 1

あっという間に月日は流れ、去年の「サロメ」からもう1年が経ったとは。その流れでこのオーケストラでニューヨークに行ってからも8カ月が経過。短いようだけど、やはり3月11日という1日によって、大袈裟だけど僕の人生や人生観は変わってしまった。受け入れるしか僕にはなすすべはないけれど、政治家に対しても企業に対しても、もっと言えば社会に対してもちゃんと哲学を持って生きていかないとこれからは普通にも生きて行けない時代がやって来たと思う。


そんなことを松本に来て生活のルーティーンである朝の散歩とタリーズ珈琲でのぼんやり珈琲を飲みながらの時間に考えていた。

タリーズ珈琲は松本にいる間はほぼ毎日通っていたし、今年もそうなるだろう。
去年もその店で働いていた店員さんが今年も働いていた。彼らにとっても日常だし、僕の松本での生活で珈琲を毎日飲みに行くことも日常。そんな個々の日常が交差するなんでもない瞬間がホントに幸せに感じる。

どんな人でも死に向かって歩いて行っている。演奏すること、練習すること、珈琲を飲むこと、友人と話すこと、洗濯をすること、とにかくスーパーな事ではなく、ありふれた日常を大事に、そしてそんな時間がよりいい色に塗れたらいいなと思う。

こうやって松本生活の幕が上がった。