何をするにも大変です

マーラーの9番が終了。オーケストラと言うのは本当に奥が深く難しい。これは個人で、例えばバッハの無伴奏を弾く時もそうだけど、(何故こんな所でうろたえたんだ?)(なんで今まで上手くいかなかった此処が上手くいったんだ?)
など、本番と言うのは全く別の世界だし、信じられない事が全編に渡って起こる。
オーケストラではその時の1秒1拍の風向きを捉えていないと仕事にならない。オーケストラの本番には謎のうねりがあり、それは指揮者、コンサートマスター、そしてオーケストラの集団心理とお客様の空気が作る独特のテンポ感や落ち着き処など、想像もしない不思議な国に進んで行く事が多々ある。

僕はオーケストラの中ではもちろんまずは指揮者が視界には常に入っていて、当然コンサートマスターも視界に入っている。耳はその部分の核となる楽器を追い掛けながら自分のパートを聴き、そして弦楽器全体のバランスや空気を追う。一番おろそかになるのは自分の目の前に置かれた譜面を見る事かもしれない。
そうやっての役80分を終えると蛻の殻になる。
その中でも自分の信念や世界観などを散りばめられたらとは何時も思っている。だけど対象出来なかった事も多々あり、大体落ち込んで帰宅、という生活が今まで続いているし、ずっと続くと思う。

話がガラッと変わります。
俳優の山本太郎さんが福島の原発の事で発言したりしたために、ド ラマを降板させられ、その上みんなに迷惑をかけられないと所属事務所まで辞めてしまった。

意外に日本は言論の自由がないのか?
と言うのも、アカデミー賞の授賞式なんかで俳優、女優さん達は
政治的発言やECOに関しての発言をかなり過激にするけど、アメリカの人達は仕事は仕事、考え方や哲学はそれは個人的な哲学と完全に別けているような気がします。

そんなに俳優を多く知らないし、演技などを僕がとやかく言えないけど、山本太郎さんは凄いいい役者さんだと思っていたからなんとか応援したいんだけどなぁ。


僕が指揮者をやらせてもらえる国だから、もっと寛大な国かと思っていたけどなぁ。
日本は嘘に寛大で、ミスに厳しいが、アメリカはミスに寛大で嘘に厳しいそうだ。
何れにしても才能のある人が普通の個人の想いを言っただけで叩かれるのは残念至極です。