宮崎 最終日

放射能漏れでほとんどの外国からのアーティストがキャンセルとなってしまいましたが、唯一ライナー・キュッヒルさんだけは来て下さいました。
こちらの新聞のインタビューに「一度約束したことは守る、それだけです。しかも多くの日本人が苦しんでいる中、少しでも役に立てるなら来ない理由はない」と語ってらっしゃいました。

そんな姿勢に我々はただ感謝して頭を下げるだけです。

急遽宮崎に来てくれたズッカーマンさんも新聞のインタビューに
「私の祖国イスラエルでは戦時中でもコンサートがあり、戦時中のひどい時でも何かを求めてお客さんが集まってくる。我々ができることはどんな状況でもそのお客さんの為に弾く、それだけです」と語っています。


そんな彼らの演奏は、やはり想像している以上の次元に存在している。

もちろん一人一人タイプが違うけど、結局は一人の音楽家、人間として強烈なメッセージを語っている人たちなんですね。

毎回、宮崎に来る海外からのアーティストには「すごい、すごすぎる」と刺激をもらってきたけど、今回は「人」も学ぶ事ができた。そして彼らが何のために音楽をしているのか、それが少しわかった気がします。

今日はキュッヒルさんがコンサートマスターの席に座って指揮者なしでフィガロの序曲とシンフォニー40番、後半はキュッヒルさんとアンドリアノフさんでブラームスのドッペルコンチェルトを徳永音楽監督の指揮で。

3週間、長かったようであっという間だったかな。
なにより体調を維持できた事は喜ばしい。
それにしても多くの事を考えさせられ、考えた3週間でした。