福島へ

オーケストラの同僚で福島出身のクラリネット吹きがいる。
ゆうすけという。
僕とは世代が違い、まだまだ若い。
そんな彼と福島に演奏行脚をしようと話している。


以前、僕のお弟子さんだった福島県庁の職員もいるし、ゆうすけの家族、知り合いを含めて数カ所でやりたいと思っている。


僕は楽観主義者であるのに、極端な悲観主義的な所がある。
チェロと楽譜を持って行けばなんとかなると思っているのに、果たしてチェロや音楽なんて必要とされるのかどうかという事にもの凄く心配している。


先日、海外のロックバンドが盛岡で公演を行ない、岩手の方々を勇気づけたというニュースを見た。
ポップス、ロック等々とクラシックでは観客の動員数の桁が多分2桁は違う。
単純にそれを求める人達の人数の違いがそのまま数字になっているんだろうけど、僕がチェロを弾く事が押し付けになりはしないかがとても気になる所。
でもそんな事を気にしていると出来る事も出来なくなる可能性が高い。


静岡県の知事さんが浜岡原発廃炉にすると言った。
勇気がいる発言だろうけど、よくぞ言ったと拍手を送りたい。
とはいえ、僕は反原発でもなかったし、もちろん原発推進でもない。
こういう事態になってからでしか気付かなかった事は恥ずかしいし、情けない事だけど、やっぱり人間の手で手に負えない事は止めた方がいいんだと思う。


まだこれからどうなるかわからない福島原発だけど、東京にいて原発や東電の文句を言う前に(十分文句は言いつくしましけど)、福島で演奏行脚をしたいと思う。

ゆうすけ、夏までには絶対に行くぞ。