人から学ぶ事

雪といい火山といい、また鳥インフルエンザなど、自然に対しては本当に無力である事を実感させられる今日この頃。
毎年5月に音楽祭でお世話になる宮崎県は口蹄疫が終息してきたと思ったら鳥インフルエンザ、さらには新燃岳の爆発的噴火と、心配でならない。
「串ぼうず」のマスターや「ミルクハウス」のマスターの顔が浮かぶ。
4月に霧島での「天空の森音楽祭」でお世話になる天空の森のボスこと社長さんの顔も浮かぶ。

心配で串ぼうずのマスターに電話をしました。
「宮崎はのろわれてます」と笑顔で言っていた。
電話で笑顔など分かる筈もないけど、あの声のトーン、仕事には厳しいけど優しくユーモア溢れる口調はいつもの笑顔でしかあり得ない。多分、生まれて来た時も笑顔だったと信じている。そして電話の向こうでも腰を低くして頭を下げながらの会話だったに違いない。
「5月までは店を潰さないように頑張りますので」という言葉に何か僕に出来ないかと思う。

一方、天空の森の社長にも電話をしました。
「おーーー山本さん!久しぶりだねぇ、ところで元気にしてますか?体調は大丈夫かい?」
と逆に心配される始末。
「こっちは全く心配いらないよ。4月に会えるの楽しみにしてるからね。身体にきをつけて!」と。

寒い、乾燥し過ぎ、と冬ならある程度当たり前の事になんだかんだと一喜一憂している自分が情けない。
どんな逆境でも笑顔でいられる人ほど強く、そして心が豊かで優雅なんだと思う。縁があってそういう方々と出会った。多くの事をちょっとした言葉から教わる。幸せな事だと思う。

ミルクハウスは電話番号がわからず電話は出来なかったけど、年中無休の細身のマスターはタバコを燻らしながら「天災はしょうがない」とさらりと言ってのけるんだろうなと想像している。

逆境の時にその人の本当の姿が見える。
我々のオーケストラも間違いなく逆境の中にあると言える。
そんな中、笑顔で絶対的な信念だけは貫いて行きたい。