怪我の功名

小指を突き指してしまった。
この後味の悪い鈍痛に気分も相当冴えないけど、突き指なんて中学のバスケットボール部にいた頃以来という事もあり、懐かしいその頃の想い出が走馬灯の様に駆け巡った。


今日は17:00-20:00のチェロアンサンブルのリハーサルを挟んで、朝昼、そして夜中までと、相当気合いを入れてチェロを練習した日だった。病弱だけどタフガイでもある僕も、さすがに疲れてお風呂に入った。ちょっと刺激を与える意味も込めてスクラブ洗顔をした。疲労困憊の時によくやる僕の手法だ。
それで顔を両手で入念に洗っている時に、なんと小指が鼻の穴に入って突き指をしてしまったのである。当然鼻の中も痛い。でも右手の小指で良かった。左手だとシャレにならない。

こんなごく当たり前な生活ですら気をつけないといけなくなったのか。
がっかりだよ。


その突き指からバスケットボール部だった頃の事、そしてその頃かなり好きだった曲を思い出していた。
コレルリの「クリスマス協奏曲」。これよこれ。
当時、NHK-FMのクラシック番組をカセットテープに録音をして、よく聴いて悦に入っていたけれど、その中にどこの団体かも忘れてしまったけど、クリスマスイブに教会で演奏されたクリスマス協奏曲のライブ録音があった。最後の曲のもう数小節で終わるかという所で教会の鐘が鳴るという感動的なライブ録音だった。

バスケットボールでは左のガードをやっていて夢中だった。そしてクリスマス協奏曲から「クリスマス」、「教会の鐘」という異国の知る筈も無い風習や風景を勝手に妄想して憧れていたな。
聴くとひたすら音楽が好きだった頃の初心に戻れる曲は何曲かあるけれど、その中の1曲がクリスマス協奏曲。
いろんな事を思い出させてくれた突き指も、悪くはない。