日本の未来は明るい

明日19日に、JTホールでピアノの河村尚子さんの室内楽のコンサートがあります。海外で育ち、海外で活躍している若くて才能に溢れた若者達と一緒にいると、10代の頃に戻って、海外でリスタートしたいという気持ちで一杯になります。ピアノの河村さんはもちろん、バイオリンの佐藤俊介さん、米元響子さんとみなさんマルチリンガルであることは特別な事ではなく、日本語の標準語と名古屋弁のみで虎視眈々と世界を狙う僕にしてみれば、羨ましい事この上無し。


言葉の事はさておき、日曜日の夜から今日まで3日間びっしりとリハーサルしておりました。日本からはビオラの鈴木康浩さん、コントラバスの吉田秀さんと僕。リハーサルは2時間半休憩もせずに次から次へと出て来るアイディア応酬合戦。そしてすべてそれを試していくという、全ての人が対等で、何処かにあるだろう音楽の桃源郷を探す時間は言葉にできないほど幸せなものです。


皆さん、日本に住んでいないとはいえ、こういう素晴らしい若者が世界にいれば、日本は安泰です。頭が柔軟な事というのは、メンタルやキャラクターの事だと思いがちですが、彼らや鈴木さんや吉田秀さんを見ていると、結局必要なのは技術なんだと思います。
そんな素敵な若い方々と演奏する事も嬉しいですが、リハーサルをもっと続けたいというのが僕の今の正直な気持ちです。


1つ疑問なのが、いつもよく演奏する日本の素晴らしき仲間達は、子供の頃から外国に住んでいないのに、どうしてあんなにいい音楽が出来るんだろうという事です。僕はそういった普段の仲間や、若い人達から刺激や音楽の素晴らしさ、そしていろんなエッセンスやエスプリを頂戴して生きている訳で、多分日ハムの齋藤投手より、僕の方が「持っている」と思う。


明日演奏するシューベルトの「鱒」。僕のボロボロの楽譜には1986年3月と書いてある。初めて「鱒」を演奏した日時です。
1番若い佐藤俊介さんは1984年生まれですから、彼が2歳の時。
いつの間に追いつかれて追い抜かれたんだろう。
制限速度は守るべきだと彼には明日苦言を呈そうと思う。
そんな明日の演奏会が楽しみです。