ハイドンバリエーション

実は昨日から富山に来ています。予想はしていましたが、空気は非常に冷たい。ようやく風邪も治ったのに、気をつけなきゃ。


富山に来た目的は桐朋オーケストラアカデミーでの演奏。20歳以上年下のヤル気満々の後輩達に混じって弾いております。指導と言ってもほんの少しの僕の経験を伝えるだけです。後は彼らの失敗や上手く行った事を微笑みながら音楽を楽しむだけです。伝えなきゃいけない事も沢山あるけど、基本は失敗をさせて自分でその罪の重さに気付いてもらうことが一番大切かなと思っています。言われた事がちゃんと出来るなんて事は能力でも何でもないですから。全ての道は自分で整備するという所に導いてあげる、これがここでの僕のミッションです。


最近、こういう仕事、室内楽は矢部くん、鈴木学くんとセットであちこちよく行っております。バリューセットですね。ハンバーガーをて頼めばポテトも飲み物も付いていますみたいに、矢部くんをご注文の方は学も裕康も付いています。桐朋時代からの親友と桐朋に教えに行く、同窓会旅行さながらです。12月の頭の神戸もバリューセットです。


指揮者は小泉和裕さん、曲はブラームスのシンフォニー第1番、ハイドンバリエーションの2曲です。
このハイドンバリエーション、オーケストラの仕事を始めた頃、毎日この曲しか聴いてない!
と言う時代がありました。なんという名曲!ハイドンの流麗なテーマをブラームスブラームスに調理したたまらない一品でございます。何度聴いても、何度弾いても、じんわり目が熱くなりますよ。若いプレイヤーに囲まれながら、僕が君達のような年齢の頃、どれだけこの曲を愛して止まなかったかを語りたくもありますが、中年のセンチメンタルな話ほど若い人には迷惑である事ぐらいは良く理解していますから。口が裂けても話しません。


だからバリューセットで行動して、そんな話で盛り上がる必要があるんです。