バルトーク

山本裕康は近現代の作曲家に弱いという噂がある。それも自分が流して広まらない噂。全く人に迷惑をかけない風説の流布です。
ドビュッシーは心底愛し、ラベルに弱く、フォーレにはぞっこん。
ストラビンスキーは嫌いではないけどショスターコービッチはどんな曲でも心を掴まれる。メシアンには好きだけど苦労を感じてしまうけど、プーランクの洒脱さは常に手元に置いておきたい。シュニトケは好きだけどヒンデミットとは正直、友人関係は難しい。


バルトークはそんな僕の中でも異彩を放ち、近現代に弱いと噂されながらも僕はあの天才性にはただただ脱帽し、時折失神しそうな凄さを見せつけられている。
バルトークのオーケストラ作品はそこそこ演奏したとは思うけど、カルテットは一曲しか演奏した事しかなく、偉そうな事は言えないけど、大好きな作曲家である事には違いない。


明日の宮本文昭さん率いるMAP'Sのコンサートのプログラムが凄いプログラムなんです。ここだけの話。
モーツアルト ディベルティメント K.137
バルトーク  ディベルティメント
シューベルト 死と少女(弦楽合奏版 マーラー編曲)


どの曲も作曲家の天才性に僕は振り回されているな。天才という言葉を使う事を僕は好まないし、あまり簡単に言わないし書かないけど、今回のこの3人には参ったな。
バルトークのチェロとコントラバスの低音同士の使い方1つとっても衝撃なのよね。よだれが出る程の響きには言葉に出来ないんです。
しかもバルトークのディベルティメントは何回か弾いたはずだけど、遅ればせながら発見する事がまだまだいっぱいあり過ぎて、自分の発展途上ぶりを確認することになった。
このMAP'Sの練習は本当に楽しいし、幸せな時間だな。
だけど、宮本さんの集中力や、メンバーの皆さんが発する音楽への想いに押し倒され、リハーサルが終わるとヘトヘトに。
こういうアンサンブルこそ本当の幸せを生み出せるんだと確信している。



明日の演奏会は真剣に楽しみたい。
明後日はバッハの無伴奏の3番4番。
そして日曜日はバッハの3番とシューベルトの鱒。


偉人に挑むある秋の週末です。