明日から松本

朝は相変わらず歩いて汗だくでタリーズに飛び込む毎日を送っております。
おかげで元気なのか消耗したのかよくわからない状況になってきました。


我々が松本に来て次の日から例の最高の洋食店潮騒」がお盆休みだったんですが、再開しました。
昔ながらのオムライス、これが食べたくて僕は松本に来たんです。


首、右手を痛めた友人は、痛みに耐えてサロメを弾いております。あの辛さがわかるだけに気の毒です。でも弓が持てるようになり、チェロの弾いているのでホッとしました。


よく考えたら、もちろんここ松本には音楽をしに来ている訳ですが、まずは朝45分歩いて、コーヒーを飲んで、シャワーを浴びて、ご飯を食べてからサロメを弾いて、温泉に入り、夜は矢部くんや下野くん、そして鈴木学くんと毎日食事をして、馬鹿話50パーセント、音楽話50パーセントの会合を開き、そして夜は読書をして寝るという生活が毎日続いています。
こんな生活、お金を払ってでもしたい理想の生活ですかね。


オペラを演奏するのに何が怖いかって、僕は個人的にはお腹を壊す事なんです。サロメは短いオペラと言われていますが、やっぱり95分はピットに入りっぱなしですから、トイレに行かなくてはいけない事態が一番恐ろしい。
意外に気が小さくてビビりなので、やたら神経質になります。

というわけで、今日の夜は野菜だけの店に行き、5日間の内臓の疲れを癒すという作戦に出ました。
明日はオフ。ドン・キホーテの勉強をして、ジムに行き、そして読書という計画になっております。


サロメがあまりに難しいので、ドン・キホーテがむしろ簡単なんじゃないかと思えるほどです。
とんでもございません。下野くんいわく、ドン・キホーテがちゃんと振れたら、半分以上のオペラは問題なく振れるというぐらい難曲みたいです。

さて、勉強勉強。

今日、友人のリサイタルの代役を務めて参りました。
なんとか彼に恥をかかせる事はなく終えられたかなと思っております。
さすがに疲労困憊。でもそんな事より、早く完治して復帰して頂きたいと思います。とは言うものの慌てずに確実に治癒して欲しいです。


僕はスズキ・メソードでチェロを始めました。このスズキ・メソードには毎年「夏期学校」という全国からスズキ・メソードの生徒さんが松本に集まり、全国の先生にレッスンを受けるという今で言うサマー・スクールがあるのですが、最後に僕が行ったのが18歳の時。四半世紀前の話です。その18歳の時にストリング・アンサンブルでコンサートに出演して、その年の秋にそのアンサンブルで東ドイツに行ったのがきっかけとなり、音楽の道に進もうと決意しました。
その東ドイツのツアーの時のソリストが林峰男さんだったのですが、峰男さんから「桐朋に行け」と言われ、桐朋という大学を知ったぐらい無知な少年でしたね。

そんな「夏期学校」に四半世紀ぶりに明日から参加いたします。今度は教える立場での参加となりますが、チェロのゲストの指導者が林峰男さんと僕なんです。教える事はいいのですが、そのゲスト指導者のコンサートというものがあり、それがプレッシャーなんですよね。
林峰男さんが聴いている事、僕の名古屋時代の中島顕先生も聴いている事、そしてなによりレッスンをする生徒さんが全て聴いている事、恐怖の枢軸の3要素がすべてそろっているんです。

でもいろんな昔を思い出しながら、良い時間を過ごし、そして当時お世話になった先生方に感謝しながら一生懸命頑張りたいと思っています。
明日から6日まで松本、そして12日からサイトウキネンで松本で8月31日までいますから、ほぼ一ヶ月間松本にいる事になります。
帯広、名古屋、栃木、松本とまるで選挙戦の応援演説をする党首のような感じですが、どこに行ってもジムがありますから、体調管理も頑張りたいと思います。