宮崎雑記帖 7 今日のコンサート

いやいや、凄かった。
それに尽きる。
ラクリンさんもヴェルニコフさんも。
今日はバッハの3台のバイオリンの為の協奏曲、メンデルスゾーンのピアノとバイオリンの為の協奏曲、そしてピアソラのブエノスアイリスの四季というプログラムでした。

メンデルスゾーンはヴェルニコフさんが弾いて、アンコールにロシアの「涙の後に」という古くからのユダヤの民謡で「シンドラーのリスト」のテーマを挟んだものを演奏しましたが、これが涙出ましたね。
凄いとしか言えない音、これはなんだろうとコンサート後もずっとみんなで語っていましたが、やはり想いであるのかなと。やはり音楽はその人の想いが出ますし、その強さが人の心を揺さぶるんですね。
あの天下の上村昇さんまでもが舞台上で涙を流しましたからね。


後半のピアソラはまたラクリンさんが圧巻でした。
異常なまでの集中力と興奮度、しかし音楽のフォルムは統一感がある。最高の演奏でした。
アンコールにイザイの無伴奏の3番「バラード」を完璧に、そしてバッハのパルティータの2番からサラバンドを。
イザイの無伴奏はまじめな話、感動してしまった。「こんなものを目の前で見ちゃったよ」という感じでもあり、音楽がひとつのストーリーに完全になっていて、あの曲で感動するとは。
バイオリンの人達に「あれは意外に簡単なのか?」と聞いたら半殺しにされましたが。
でもどうなっているのかな。
客席だけじゃなく、舞台上の我々も大興奮。

明日のベートーベンの協奏曲がとにかく楽しみでしょうがありません。

ラクリンさんに「僕のいるオーケストラにも振って弾いてよ、30ユーロで」と言ったら「それだったら無料の方が気持ちがいいよ」と言うので、「ではここで約束を、無料の」と言って握手しておきましたよ、神奈川フィルの事務局の方々。でも、僕は3万円出しても聴きに行きたい演奏だと思いました。

音楽祭メンバー、それはチェロだけじゃなくバイオリンの方々も大興奮状態でした。

明日は凄いコンサートになると確信しています。
早く明日にならないかな。こんな事思う事なんてほとんどありません。