マーラーという人

明後日の23日、マーラーの3番のシンフォニーで神奈川フィルの2010年度のシーズンが始まる。
生誕150年だそうで、来年が没後100年らしい。


自分なりに必死に学習はしていたけど、僕の耳にはあまりに瞬間瞬間に鳴っている音の情報量が多い為に全てを聴き取りながらチェロを弾く事は不可能だと悟った。
っていうか、情報量が少なくても弾きながら全ての声部を聴き取れていないから友人達に「音感に難があるチェリスト」と言われる訳で、無理もない。

でも、昔演奏した時には思わなかったこの曲のたまらない魅力と凄さに完全に虜にされてしまった。
運転していても、ずっとマーラーが頭で鳴っている。ある意味今週はマーラーという獄中にいる。


ブラームスと同じ様な時代に生きた人とは思えない事が面白い。
世紀末と言われた時代まで生きたのか、越えて生き残ったかでこれほど違うのか。


ワーグナーを絶賛してリスペクトした事もあるニーチェマーラーリヒャルト・シュトラウスに圧倒的な影響を与えた時代。
行ってみたい時代だな。


僕は昔から「マーラーよりも圧倒的にブルックナー」と平然と公言してきた。
今は違う。比較して論じている事がすでに馬鹿馬鹿しいと思う。


どうしてもテンポ内に弾き切れない所が数カ所ある。その部分にマーラー自身が楽譜にこんな書き込みをしている。
「チェロとコントラバスは決してリタルダンドしないで、荒れ狂う様な上行形を素早く、しかしハッキリと激しく奏する為に、
指揮者は常にチェロとコントラバスに十分な時間を与えるべきである!」


まあ有り難い書き込みです。