目の前には

カザルスホールでの公演は昨日終了しまして、ホールの光景や響きを頭に焼き付けてきました。
カザルスという名を冠したあのホールが運命的に持った使命、そして僕を含めた若い音楽家たちがこぞって夢中になった室内楽と言うものを静かに育んだ凄いホールだった気がします。僕も僭越ながら弾かせてもらいましたが、あのホールで何人のチェリストの「鳥の歌」が演奏された事でしょうか。
それは平和のメッセージをこめたカザルスの想い、そしてそれを受け継ぐチェリスト達のそれぞれの声をあのホールは響かせて来ました。
個人的には10年程前にリサイタルとしてハイドンのチェロ協奏曲2曲とバッハの無伴奏の1番を演奏した事、師匠であった故・井上頼豊先生のお別れの会をした事が忘れられません。オープニングのコンサートにも出させて頂いて、そしてクローズの時のコンサートにも出演させて頂いた。
カザルスホールに育てられた世代のチェリストとして、誇りを持ってこれからも努力したいと思います。


そういう訳で昨日は久しぶりの神保町でした。ゲネプロと本番の間にそうとう長い時間がありましたので、本屋さんでまたもや大量の本を購入しました。
目の前には本が山積み。
これだけでワクワクする。
ここの所ずっと哲学関連の本ばかりを読んでいたけど、再び佐藤優さんに戻る感じですね。
いずれにしてもベートーベンが読んだとされるギリシャ古典哲学に早く行き着きたい。

先日知り合いの方からツイッターを薦められたけど、とてもその時間もないし、そもそも思った事をつぶやける程大した事を思ってないから絶対にしないと思う。
とにかく今は音楽にしろ本にしろ、インプットが僕には必要です。