最後の定期演奏会

「英雄」「時計」で始まった今年度の定期演奏会も、明日の「古典」「ロンドン」で終わりです。
1年間、コンサートに来て下さった多くのお客様、有り難うございました。


新しい常任指揮者の金聖響さんを迎え、あっという間に1年が過ぎました。早いものです。
聖響さんは益々やる気満々で、いろんな事を挑戦したり、試したいといつも語っています。
年齢的には指揮者としては若手のカテゴリーに入るんでしょうけど、これから中堅指揮者、そしてベテラン指揮者になって行く過程で、
あらゆる事を挑戦したり試したりして欲しいと思っています。
指揮者の小泉和裕さんが還暦を迎え、「指揮者としては60歳は鼻たれ小僧」とおっしゃっていましたが、聖響さんにしても先月の下野さんにしても、これからですからね。
彼にとってこの神奈川フィルでの常任指揮者としての活動が、今後さらに飛躍する大事な時間になって欲しいと願っています。
それにはまだ僕自身、実力も勉強量もまだその受け皿になれていないと反省する事しきりです。


神奈川フィルも激務故、体調を崩す人、故障を抱えている人、本当に多いです。
どの楽器も大変ですが、管楽器の方々は見ていて本当に気の毒になる時があります。
本当にいろんな人の話を聞いて、ここ数ヶ月本当にいろんな事を考えました。
壊れそうな人に僕が何か出来るとすれば、僕の出番を半分にして、当然給料も半分になりますから、その給料の半分を使ってその壊れそうな人の楽器のプレイヤーを雇う事、もしくは僕がオーケストラをすっぱりと辞めて、その浮いた給料で、壊れそうなパートへ誰かプレイヤーを雇う、どれだけ考えても、現状これぐらいしかできないんですよね。
でもそのあたりを視野に入れながら、明日は入魂、集中していい演奏会になる様に最大限の力を注ごうと思います。