2009年、コンサート・ベスト3

高校の日本史の先生が卒業の時「ずっと未来を見ろ、過去は振り返るな」とおっしゃっていました。じゃあなんで日本の歴史をあなたは振り返っているんだ?
それはいいとして、毎年ベスト3を書いていましたので、去年の自分が出演したコンサートを勝手に3つ選びました。

今日は寒く、とうとう冬本番が来たと感じました。そんな中、逆だろうと言う事は薄々思っていましたが、あまりに髪の毛が伸び過ぎていましたし、オーケストラの練習が早く終わったのでカットしてもらってきました。気分転換にはいいですね。明日は題名の無い音楽会の収録ですから、「お前、テレビだからって髪なんて切っちゃって」と言われるのも予想されますが、ここで収録だから切った訳ではない事を強く断言しておきます。

さて。

ベスト3。

第1位は

3月7日
ミューザ川崎
シュナイト指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ブラームス ドッペルコンチェルト
引退されたシュナイトさんとはこれが最後でした。そして母親が手帳に書いた最後の予定だったこのコンサートは、曲の難しさもさることながらシュナイトさんの思うブラームス像を捉える事に力不足を感じたコンサートでした。本当に多くの引き出しを持たないとダメであると教えられました。
後半のブラームスの1番と合わせて、忘れられないコンサートとなりました。


第2位

6月15日
白寿ホール
チェロ・リパブリカ第2回公演
前年の11月に多くの事を実験的に始め、その真価が問われたコンサート。
自分で言うのもなんですが、いろいろな部分で成功したコンサートだと思います。奇跡的に4人のスケジュールが合ったこの日、白寿ホールは休館日でしたが、ホールのご厚意で特別に貸して頂きました。しかしながら必ずチェロ・リパブリカの公演前に僕は首をおかしくしており、今後の課題は身体とという事を思い知った公演でもありました。
しかしチケットが速攻完売という事で、幸せなコンサートでした。

第3位は二つ。

7月4日
パルテノン多摩 小ホール
アノトリオ
ショスターコービッチの2番とベートーベンの「大公」という非常に難しい曲2曲のみで勝負したコンサート。曲目を決める段階ではいろんな曲が候補にあがっていましたが、わざわざ渋い2曲でチャレンジしました。話をしたり、反面渋い曲を集中して出来たという僕にとっては理想の室内楽のコンサートでした。このコンサートもチケットが完売するという演奏家にとっては夢の様なコンサートでした。

11月22日
東京アンサンブル・ギリシャ公演
このブログでも書かせてもらいましたが、このギリシャの前のイスタンブール空港騒擾事件の後だった事もあり、パルテノン神殿を見て感動してその後に本当に美味しい食事をしたという背景があった事も大きいと思いますが、完璧でズレもなくという演奏ではなく、演奏での話す言葉のパワーバランスがギリギリの緊張感の中で突き進んだという稀な経験をしたのはこのアンサンブルでは初めてでした。2年前のジャパン・チェンバーオーケストラの大阪公演のベートーベンに似た希有な体験でした。ちょうど1年前のこの日、母親が倒れた日。このコンサートの後、一人でホールの外で号泣しました。2009年はこの日まで泣いた事もなかったのに。


今年はどんなコンサートが自分に待ち受けているのか、楽しみでもあり不安でもあり。
一つ一つ大事にしていきたいと思っています。
皆様、また応援よろしくお願いしたします。