名古屋から大阪、そして再び名古屋

先月の終わりから名古屋に行き母親の一周忌。この一年、本当に忙しかったし、必死でチェロを弾いてきましたが、一度も心から気持ちが晴れた事はありませんでしたね。一周忌の法要で挨拶をしましたが、お通夜でもお葬式でも喪主の挨拶では泣きはしなかったのに、今回は泣けて泣けて。言葉が出なかったなぁ。ちょうどギリシャでのコンサートが終わり、バスが来るのを待っていた時、たまたま誰もまだ来ていませんでしたのでスーツの内ポケットに忍ばせてある母親と一緒に写った写真を見ていました。泣きましたね。凄く。ありゃ号泣だな。その日の丁度一年前、母親が倒れた日だったんですよね。一人でギリシャで泣き、関係のないギリシャの神々に手を合わせましたよ。
そして今日まで3日間大阪センチュリー交響楽団にお世話になりました。かなり久しぶりでした。何年ぶりでしょうか。
あの大阪府知事になってからオーケストラは大阪にいくつもいりませんと言うことで大阪センチュリー交響楽団も本当に存続を危ぶまれるほど大変な状況になっています。いろんな考えがある事は当然ですし、今の民主党事業仕分けによる事業廃止や予算大幅削減等は例え自分にふりかかったとしても、個人的にはしょうがないかなと思っています。さらに「芸術は違うだろ」とあまりそれにかかわっている僕から言いたくありません。道路一キロを作るお金でオーケストラはたぶん10年20年は存続できますけどね。どちらが必要なのかはその立場立場で違うでしょうし。
結局、上に立つ人の何を守るか、何を後世に残そうとするのかだけなんだと思います。今の知事にはオーケストラなんてどうでもいいんでしょう。残念です。
バイオリンも飛行機では座席をもうひとつ取らなければならないような時代になってしまいました。他の人から「なんであの楽器はいいんだ?」と言われると示しがつかないと航空会社の人は言っているみたいですが、むしろ「お金を稼ぎたいんです。儲けを出さなきゃいけないんです」と言ってくれたほうがまだいい。なんか文化に理解はしているけれど、、、という見せかけが一番頭に来ますね。興味もないのに。
大阪の街をカジノと風俗の街にすると知事は言っているみたいですが、弁護士もいろいろ、知事もいろいろ、いろんな方から今回お話を伺いましたが、考えさせられる3日間でした。コンサートのあと新幹線に飛び乗り名古屋へ。あと一仕事したら東京に戻ります。