出世したなぁ 俺

若い頃、桃屋の「江戸むらさき」や「メンマ」「ザーサイ」をメインのおかずにしてお腹を満たしていた頃がある。極々たまに仕事を頂き、数千円を頂いた日は大学のある京王線の仙川から歩いて次の駅、つつじヶ丘の「吉野家」に直行した。そして牛丼の並と単なる白いご飯の二つを注文したものだ。その白いご飯に牛丼のお肉を大事に移動させ、牛肉を取り除いたつゆがかかっただけのご飯には紅生姜と七味唐辛子を湯水のようにかける。そしてまずはその肉無しつゆご飯の方をガツガツ食べ、そして牛肉が乗った白いご飯を味わって食べる。極上の幸せを感じたものだ。

今日、ミューザ川崎で演奏会があり、ゲネプロと本番の間に仲間と「吉野家」に行った。普通に牛丼の大盛りと半熟卵、そしてトン汁を注文している自分に気付いた。
出世したな僕も。690円を何も考えず注文出来るまでになったぞ!母さん!

そんな事を思いながら昔の食事事情を思い出していた。大学2年の夏に同級生から段ボール1箱の素麺をもらった。彼の故郷が素麺の産地だからご両親が送ってくれたという事でしたが、かれの所には段ボール3箱届いたらしい。段ボール1箱の素麺って、もの凄い量だという事をご存知ですか?毎日2回素麺を食べて夏を過ごしたが、素麺つゆはもちろん、その中にゴマ油を入れたり、胡椒をかけて炒めたり、考えられるあらゆる手段を使ったが、1ヶ月半が限界だったな。
苦手な食べ物は?と聞かれたら僕は素麺と答えてる。未だに素麺を見るとちょっと苦しい気分になるのです。
でも、あの頃が1番太っていたんじゃないかな。大体、ダイエットをしようなんて言う発想はこれっぽっちも無かったな。

ダイエットをしよう!と思うのは、実はもの凄い贅沢な意識ですよね。
12年前に僕は20キロ近くダイエットをしましたが、なんというブルジョア
一応体重はダイエット後ほとんど変わっていません。