中川元財務大臣

今日の朝、仕事に向かう車の中でそのニュースを知り、本当に驚きました。あの「朦朧記者会見」と言われる会見で彼自身の価値も自民党の価値もすべてを下げて、そして失った物は大きいと思います。あれは海外に向けては相当国益を失ったと僕ですら思います。服部譲二くんがあの少し後に日本に帰国した時に「今、ヨーロッパのテレビでは出演者が即答出来なかったり、しどろもどろになると『日本の財務大臣じゃないんだから』と揶揄されてるんだよ、本当に恥ずかしい」と言っていた事を思い出します。
思い出すと言えば、毎年恒例となっている帯広でのカルテットのコンサートの後、必ずガーデンパーティがあるのですが、去年、そのパーティに中川元財務大臣がいらっしゃっていました。僕たち音楽家の所に「みなさん、お疲れさまです」とオレンジジュースを持っていらっしゃいました。ビオラの篠崎友美が「この裕康という男、政治家志望なんです」と言うと「そうなんですか」と笑っていらっしゃいました。僕は否定しながらもちろん冗談で「僕は政治家は諦めて政策秘書狙いです」と言うと中川元財務大臣は「あのさ、政策秘書の試験は政治家になるより難しいぞ」と言って笑ってました。
帯広の大きな企業グループの息子さんの結婚式でチェロを弾いた事があるのですが、その時も中川元財務大臣がいらっしゃってました。もちろん主賓でスピーチもなさったのですが、僕たちはその主賓挨拶の直後に弾くという事になってスタンバイしていたのですが、50分ほどスピーチなさってすっかり身体が冷えた事を思い出します。
あの朦朧会見の後、僕もいくら一言話した事があると言っても、日本人として恥ずかしいと思いました。
でも僕の愛してやまない十勝帯広を作って来た方ですし、国会の中枢でも重要な仕事をされてきたんだと思います。貴重な保守の人材だっただけに、民主党政権に対してはいなくてはいけない方だったと思っています。谷垣さんはリベラルで民主党に近い気もしますし、それだけに自民党としても重要な方を失った気がします。

心よりご冥福をお祈りいたします。