カムイ伝と言えば

白土三平さんの「カムイ伝」に完全にハマった事があります。きっかけはバッハだったんです。小学校の時、「バッハ」というもちろん小学生向けの伝記を読んだと言う事は以前書いた記憶がありますが、その時その「バッハ」という伝記の最後に作品一覧が載っていました。そこには「マタイ伝による受難曲」というような表記がありまして、つまりマタイ受難曲なんですが、どうしても聴きたくて父親にお金をもらってレコード屋さん(昔はこう言った)に行き、ダイジェスト版を買いました。ナチスに占領される一週間前のオランダでのライブ録音で、メンゲルベルグ指揮のアムステルダム・コンセルトヘボウだったと思います。会場ではすすり泣きが聞こえ、なんとも感動的なライブレコーディングでしたねぇ。
ガキのくせにマタイ受難曲とは生意気ですが、「マタイ伝による・・・」と言う表記に興味を持ったというのが本当の所なんです。しかもその「伝」つながりでカムイ伝という漫画を本屋さんで見付けて(これはなんだ)とまたまた興味を持ちました。その時は中学一年生になっていましたが、貪る様に読みました。最近もう一度読んでみたいと古本屋さんなんかで探していました。最近映画かテレビで「カムイ外伝」というのをやる事を知り、奇遇だなと。その映画の監督さんは僕と同じような年齢なんでしょうか。監督さんの名前も知らなくて申し訳ありませんが、あの漫画は少なくとも僕のマインドの基礎になった事も少なからずあると確信しています。自分の原点探しという事からも「カムイ伝」は是非再読したいです。

僕という人間はいろんな部分でバッハに影響を受けているような気がしています。音楽家を志そうと思ったのもバッハでしたし、カムイ伝を読もうと思ったのもバッハから、コーヒー・カンタータを聴いてコーヒーフェチになったのもバッハですし。もちろんバッハの本質からは遠く離れた所での事ですが。
明日の川崎でのバッハ。最近バッハどころか、チェロを弾く事にさえ迷いに迷って自分を見失っている状態ですから、自分でもどんなバッハを弾き出すのか気が気ではありません。
明日はPAL ZILERIのスーツで弾きたいと思っています。初めて袖を通しますが、他力本願の僕としてはこのスーツでなにか吹っ切れたらと祈っているのも事実です。

ドレミファ・ワンダーランド、それにしても見たかったな。