9・11は毎年やってきます

どうしたってあのシーンは忘れる事ができません。リアルタイムであのシーンをニュースで見ていたからな。あれからアメリカはもちろん、日本も何かが変わってしまった気がしています。脱力感というか、虚無感というか。あの時ニューヨークに住んでいた人々のショックの度合いなんて想像も出来ませんが、あんな事があっても世界は動いているんですよね。動いているから困惑は強くなり、反動を作る。原爆の投下はその比ではないぐらいの暗い影と人々の心を閉ざしたと思われます。何もかも消してしまいましたからね。それを「しょうがない」じゃぁそりゃ落ちるわ。9・11以来日本も悶々とした日々でしたが、民主党を支持するしないは別として、政権交代によって何か先に進み、遠い未来には明るい光が見えるようになるんじゃないかと期待しています。
カザルスが国連会議場で「鳥の歌」を弾き「カタロニア地方では鳥達はピース ピースと鳴くのです」という名演説をしても何も世界は変わりません。音楽は無力です。
僕の生きている間、戦争がない事は多分ないでしょうね。
そんな今日、定期演奏会でした。ショスターコービッチの1番のシンフォニー、僕のオーケストラ人生をスタートさせた曲。この18年で僕は何を知り、そして何を捨てたんだろう。こういう曲を演奏した後は必ずそんな想いにかられます。曲もいよいよ終わりの所で長いチェロのソロがありますが、18年前は怯えながらも若気の至りで乗り切ったのをもの凄くよく覚えています。が、今日の演奏はまたこの曲を次回やる時に思い出すんでしょうね。人には言えない何かを祈りつつソロを弾いた今日、帰りの車の中では逆に何か重たい物を背負った感じで一杯でした。