言葉の壁に撃沈

名古屋の大学に中国からの留学生が今年入りました。T君とさせて頂きますが、中国の山東省の音楽大学を出て、福岡で日本語の語学を勉強している時にわざわざ僕に日本語の手紙をくれたのでした。「山本先生に習いたいです。大学に中国人は入れますか?」というとても来日して半年と思えないぐらいちゃんとした日本語でした。
今日レッスンをしながら、どうも彼に日本語が通じない。普段の会話ではほとんど問題はないのですが、やっぱり音楽をやっている人の独特の言葉ってあるんですね。例えば「ドミナントから解決する和音だから、ここに行き着いたという安堵な感じを出して」と言うと、解決と言う言葉がわかってもらえない。彼は「解決の意味はわかります、戦争が終わった事?」と言う。「行き着いたは1番遠い場所ですか?」とか。「安堵ってなんですか?」等々。ちょっと反省し、得意のルー大柴的英語に切り替えました。半分英語、半分日本語のまあ僕が国際人として活躍する為の重要な言語です。ところがその言語に切り替えたとたん「先生の日本語は難しいです」と。
ん?「今ほとんど英語だったんだけど、余計わからなかった?」と聞くと「そうですか。英語でしたか。全くわかりませんでした」と。撃沈。
必死にいろんな言葉を駆使してその後はレッスンしていたのですが、ちょっと言葉を考えないとダメだな。いかに音楽家同士では通じていても音楽家にしか通じない言葉があるんだと反省する事しきり。


でも彼の日本語も笑っちゃいけないけど、苦笑を禁じ得ません。
彼が帰る時に「今度時間があったらご飯でも一緒に食べようね」と言ったら彼が、
「うん、なかなか先生優しい事言うね。あなた良い先生だと思う。感謝してみるよ。ありがとうございます」と。
ついつい笑ってしまいましたが、自分はこれだけの英語が果たして言えるだろうかと逆に心配になりました。


言葉は難しいです。共通の言語として英語はちゃんとできなきゃダメですね。