ブラームス ドッペル・コンチェルト 作品102

ブラームスの作品の中で、最も軽視されてる作品だ。残念だ。こんなに偉大な曲なのに」

今日シュナイトさんがおっしゃっていました。
確かにオーケストラのバランスは難しいし、巨大なコンチェルトというより合奏協奏曲のような曲ですから、オーケストラもソリスト室内楽のつもりで挑まないと大変な事になってしまいます。
シュナイトさんと神奈川フィルはもう付き合いが長く、本当に沢山のコンサートをご一緒しました。
ドイツの主要な、しかもシュナイトさんの得意な曲はほぼやったんじゃないでしょうか。
沢山の事を学びましたし、僕のバッハの無伴奏のCDを聴いたある方が、「シュナイトの影響は少なからずあるね」とおっしゃっていたのを思い出します。
去年の春にシュナイトさんの体調が思わしく無く、ご機嫌も悪く、怒鳴り散らしていまして、僕はパニック障害を再発して再び病院送りになったんですが、その時にシュナイトさんがおしゃった言葉で「人が死ぬ事がお前にわかるか、祈る事はわかるか、わからないならブルックナーは弾くな」という言葉があります。
確かに、人が死ぬ事はわかりませんでしたし、祈る事もわかりませんでした。

今回は体調も以前よりすこぶる良くなったみたいで、上機嫌です。
それに、時代という事もあるのかもしれませんが、これだけのスピードの世の中に生きている僕がついつい忘れてしまっているブラームスを思い出させてくれています。
過小評価されているブラームスが明後日どんな曲となって皆さんにお届け出来るかが不安でもあり、楽しみでもあります。

明日が最後のリハーサルです。

シュナイトさんとコンチェルトが弾けるのも、あとリハーサル、ゲネプロ、そして本番の3回です。
それがブラームスで良かったです。幸せですね。
最後のドイツの巨匠ですから。