オーケストラで働くという事

1990年に初めてオーケストラから給料を頂いて以来、数ヶ月のブランクがあったりはしましたが、19年もオーケストラで働いてきました。ずっと前からオーケストラで働く事、さらには首席チェロ奏者って何をするポストなんだろう、という事をずっと考えて来ました。
残念ながら答えはまだ出ていません。答えが膨大過ぎて整理がつかないのです。今も悩んでいます。でも、今やっている事は全く的外れではないような気もしています。でも確信を持って、一言でこういう仕事なんですとはまだ言えません。

僕がオーケストラのオーナーになったと仮定してどんな首席チェロを雇いたいかを考えていた事があります。
上手である事は当然、コンサートマスターではなく低音から音楽を構築していけるようなチェリスト、だからと言って目立つ事なくその職務をこなす人、意外にもオーナーの僕に愛想が悪い人、変にニコニコしている奴は信用出来ませんし、、、、、意外と望む事は出て来る物です。だから決定的な事が言えないのでしょう。

今、ジャパン・チェンバー・オーケストラや東京アンサンブルという規模は違いますが二つの組織に属しています。
そしてその二つのオーケストラのメンバーを見渡すと、本当に唯我独尊で生きている人ばかり。こんなに勝手に生きている僕が間に入って「まあまあ」とやっているぐらいなんですから。でもそれが一つの方向を向いた瞬間の演奏たるや、恐ろしく素晴らしい時があります。
オーナーになったら、やっぱり僕はどんな生き方をしていても、どんな変人でも、音楽に対してだけはめちゃめちゃ遠くて、見えるか見えないかの目的地を向いていられる人を雇いたいと思います。
そしてオーナーとして、そういう凄さを持つ人に気付くオーナーでありたいと。
じゃなきゃオーケストラのメンバーなんて雇えません。
プレイヤーもそんな中で自分の音楽を出来ないようではプレイヤーになれません。

オーケストラで働くという事、数年後には答えは出したい。