テクノ少年だった頃

家にあるCDを整理しようとしました。
その時間と体力が全くない事に気付き、その計画を撤回しました。
1000枚程で、音楽を仕事にしている人間にしては相当少ないと思います。少ないのにもかかわらず、一度しか聴いていないもの、1度も聴いていないものまであり、それを見ただけで嫌になりました。そのなかで、ちょっと「おおっ」と思って取り出したのがイエローマジックオーケストラの全集です。
僕は中学から高校にかけてYMOの大ファンでした。若い人達にYMOと言っても知らない人もかなりいますが、僕にとってはもの凄い影響を受けたグループでした。髪型も坂本龍一さんがしていて当時「テクノカット」と言われた髪型にしていましたし、要約お小遣いをためてためて手に入れたソニーウォークマンで毎日テレビも見ずにYMOを聴いて過ごしていました。そのYMOが10年程前にリリースした作品全集を見つけました。
それを聴きながら、あの頃の何も怖い物が無く、心配も無く、YMOを聴いて中学はバスケット部、高校は硬式テニス部に全てを打ち込んでいた時代を回想しています。坂本龍一さんは僕の中では「教授」ではなく、神でした。それほど心酔していましたし、クラスメイトの同じくYMOの信奉者と音楽室にあったエレクトーンでパートを分けて「テクノポリス」とか「ライディーン」とかを練習していました。懐かしいです。
仕事をする様になって、偉大なチェリスト ビルスマやヨーヨーマ、ロストロポービッチとお会いした時や、尊敬する指揮者がオーケストラに来た時もそれはそれは感動しましたが、10年程前に坂本龍一さんとコンサートで共演して、大阪、名古屋、東京、札幌等を旅した時は神に会えたと同時に一緒のステージに立てたという喜びで倒れそうでした。未だに一緒に撮っていただいた写真は家宝です。
坂本さんに「YMOの時から憧れていました」と言ったら「頼むからあの頃の事は忘れてくれよ」と言われました。が、忘れられません。
僕が素人ながら作曲した曲もそこそこありますが、かなり坂本さんの影響を受けていると思います。
その事を弟に吐露した事があります。弟は涼しい顔で「いや、パクるレベルまで到達してないからそういうのは影響を受けたとは言わないよ」と言ってました。
ふん、実際僕の才能というのはパクった事がばれないように書ける事なんだよ。
まだまだ弟も兄の偉大さに気付いていないな。

でも、あの頃にもう一度戻りたいな。
そして、YMOに再びはまるのではなく、チェロの基礎をやり直したい。