さようなら2008年

今年はピアノトリオの演奏会で始まり、ピアノトリオの演奏会で終わった一年でした。そのピアノトリオとピアノトリオの間には本当に忘れてしまうほど沢山のコンサートがあり、ものすごく鍛えられた気がします。
僕にとって、演奏家の生活を始めてから、一番忙しく大変な一年でした。実はいつも心のどこかで(このままだとどこか絶対に壊すな)と思っていました。
しかし、昔スポーツをやっていた事や、秋までは歩いたり走ったりしていましたので、変な過信があり、麻痺していたのでしょう。
でもまさにその通りになり、ウォーキングをパタリとやめて、チェロの練習しかしなくなったとたんに首を痛め、万事休す。
しかもその過信が3日ぐらいすれば治ると思い込んでいた為にさらに無理を重ね、取り返しのつかない事になってしまいました。

すごい反省しました。
結局は体力がないと、健康でないとどんな仕事でも成り立ちません。
さらにそんな自分の健康を害した事しか考えていないときに母親が倒れ亡くなりました。
母親は「首の調子はどうなの?」と電話ですごく心配してくれていました。
人の事を心配する場合じゃないだろと後で思いました。
自分の事しか考えていなかったあの頃が恥ずかしい。そして今ではそれがものすごい後悔の塊となって僕を押しつぶそうとしています。

「神様!これだけ頑張って来たのにこの最後はあまりにも酷いでしょう!」
と思ったりもしました。

だけど、頑張った頑張ったっていいながらも、自分の事しか頭にありませんでしたから。
もっと両親の事を考えたりしていたらと今は後悔しかありません。
そして何もひと言も言わずに亡くなった母親からは「後は自分で考えなさいよ」と言われたんだと思っています。

まだまだ心の整理どころか、現実として受け入れられてませんが、もっともっといろんな事を考えて行くんだろうなと思います。考えなきゃいけないんだとおもいます。
それに僕一人で生きて行けるはずも無く、このブログを読んでくださる方々、コメントを頂ける方々、コンサートに足を運んで下さる方々、CDを買って頂いた方、メールや電話をくださる方々、とにかく本当に多くの方々に支えられて生きている事を改めて知った一年でした。母親もそれを言いたかったのかなとも思います。

演奏家である前に、一人の人間としてもっとすべき事があるような気がしています。

来年は当たり前ですが、一つ一つの与えられたコンサートを今まで以上に大切にして、勉強して、それに関わる方々に心から尊敬と感謝の念を持ちながら頑張って行きたいと思っています。
神奈川フィルとの契約もこの体調ゆえ、まだサインもせず考えています。どうなるのかわかりませんが、体調と相談しながら考えたいと思います。

2008年、ものすごく濃い一年でしたが、沢山の叱咤激励、応援、本当にありがとうございました。
2009年、皆様にとって素晴らしい一年と成る様に心からお祈り申し上げます。


皆様、本当にありがとうございました。