引退宣言

昨日の我々矢部達哉率いる「Tバックス」のシェーンベルグの夕べに来て頂いたお客様、本当に有り難うございました。
お客様もほぼ満員で、あれだけ前衛的な曲であるのにあれだけのお客様がいらっしゃって下さった事は大変凄い事だと
東京文化会館の方々も大変喜んでおりました。
さらに今後開けていくだろう映像の試みもとても今後が楽しみな存在になりました。

浄夜」ですが、今までいろんな方々と、いろんな演奏をしてきました。良い悪いではなく、昨日の「浄夜」は
今の僕の心の中、精神状態等に1番合った演奏だったような気がします。テンポも最近にはなくゆったりしていて、
楽譜に書かれた通りに忠実な演奏だった様な気がします。昨日のメンバーはほとんどオーケストラで働いている人間です。
当然、オーケストラで弦楽合奏版をやたらとやった経験を持った人間ばかりでしたから、逆に兎に角6重奏としての良さを求めて、
作ったという気がします。それが昨日の演奏になったのかなと思います。
「ピエロ」は演奏する事自体、過酷なものです。そして難しかった。言い訳ではないのですが、もっと身体の調子がいい時にやりたかったです。
皆さんはもちろん素晴らしかったのですが、やはりあれだけ音程的にも跳躍が激しいとかなり首と腕の痛みに耐える所ばかりでしたから、辛かった。

打ち上げでは焼き肉屋さんで僕は皆さんに悪いと思いましたが、ずっと寝転がっていました。痛みが尋常ではなく、横になってないと耐えられない痛みでしたので、参りました。
で、矢部くんから、「弾けるような身体になるまで、ちょっと引退した方がいいんじゃないの?」という事を言われたので、昨日の出演者を前に
「私、山本裕康は今日を持って燕尾服を脱ぐ事を決意しました。今まで有り難うございました」
と宣言させて頂きましたが、昨日は黒のシャツに黒のズボンだったため、即座に
「今日みたいな本番はやるんだ」
と突っ込まれ、情けない中途半端な引退宣言となり終わりました。

でも しばらく休養を取らないとこれは治らない事を実感しましたので、今ちょっと今後の事を考えています。

昨日の素晴らしき人間で素晴らしき音楽家の仲間、そして来て頂いたお客様、本当に有り難うございました。