新たな傷を勲章に

「ドボコン」は終わりました。
厳しいコンサートが「戦い」なんだとしたら、無事に帰還したと言ったところでしょうか。
まあ当然無傷なわけもなく、かといって致命的な傷を負ったわけでもなく。
いつもこういう演奏会の後に充足感に満ちた事はほとんどないです。
時間が経つにつれてどんどん良くなかった部分の記憶が増えていき、そして最終的には落ち込むんですよね。なので外傷は大した事はないと思っていたら、いつの間にか心の傷が深くなっていくという感じでしょうか。
で、古傷が増えるので、歳を重ねると恐怖も増えるんでしょうね。


さて、次はハイドンです。
名古屋から東京までずっと国会中継をラジオで聴きながら運転して帰って来ましたが、夜さっそく不安になって練習してみました。
でもやはり集中力がなく、なにもはかどりませんでした。
でも取り敢えず楽譜を譜面台の上に乗せ、いつでも引きこもって練習できる環境だけは作りあげました。
意外にこれが重要で、明日起きた時にこの環境が出来上がっているのといないのでは全く違ってくるから不思議なんです。
ただ練習する曲の楽譜が譜面台に乗ってるか乗ってないかで天国と地獄ぐらい違うんです。
出だしとしてはまずまず好スタートを切りましたね。


このハイドンのチェロ協奏曲はオーケストラと一緒にやるのではなく、チェロ3人で伴奏して頂くというコンサートです。
もちろんこれがメインの曲ではなく、いろいろ曲はあります。
モーツアルトフィガロの結婚序曲、バッハのシャコンヌ、ポッパーのポロネーズ等、全てチェロ4本で演奏されます。
後はチェロの無伴奏を2人の方が演奏しますし、デュオもあります。
皆さん大変素晴らしい方々です。アメリカ帰りの三宅進さん、ドイツ帰りの渡邊辰紀さん、ハンガリー帰りの古川展生さん、そして名古屋出身の山本裕康の4人です。
この4人の関係をこのブログで書きたいと思いましたが、プログラムにその事を書きたいと思っておりますので、無念ですがここでは紹介できません。


非常にこの4人も歴史があってなにかといろいろと絡みあった4人のチェリストです。
みなさん素晴らしいですよ本当に。是非聴いて頂きたく思います。
11月1日(土)14時から浜離宮朝日ホールです。是非興味ある方はいらっしゃってください。


まあハイドンハイドンとわめいていますが、実は楽しい演奏会な筈で、とても楽しみにしていたりもするんです。
もっと楽しくなる為に練習をしなきゃという感じでしょうか。
喉が渇いても我慢に我慢を重ね、その後に一気に冷たい物を飲むと美味しさが倍増するように。


もうこんな時間だ。3時半じゃん。
寝なきゃ。

明日から、秋「第2幕」です。
矢部くんとのピアノトリオで始った2008年も第3コーナーを回っていよいよという所にさしかかってきました。
鞭入れまっせ。