桐朋学園大学 チェリスト大同窓会

10月の3日名古屋、4日富山、5日東京のサントリーホールとこの大同窓会的コンサートが行われます。
コンサートの題名は「チェロ・グランド・コンサート」なのですが、桐朋学園を卒業したチェリストの35人でのチェロアンサンブルのコンサートです。

同窓会会長の平井丈一朗さんがおっしゃっていましたが、卒業したチェリストは280人らしいです。
僕なんかは偉そうにチェリストとしてブログを書いたりしていますが、この中では中間よりやや若手という位置です。
それもそのはず、習った事がある先生達もいっぱいいらっしゃいますし、いつも大学の試験の時に審査員をしておられた先生はほとんどいらっしゃいます。


音楽大学には門下と言う言葉があって、僕は井上頼豊門下であり、秋津智承門下でもありましたが、桐朋学園は非常に面白く、他にも山崎伸子先生、岩崎洸先生など、何人の先生に習ってもよかったんです。
そんな先生方、先輩、同級、後輩、そしてお弟子さんと本当に大同窓会的コンサートなんです。
リハーサルは昨日から始まっていますが、どなたかがイニシアティブを取り始るのですが、みなさん諸先生方がけんけんがくがく、永遠に終わらないんじゃないかと思われる感じになります。
どこでどう話がまとまったかわかりませんが、段々整えられていく。コンサートに来て下さるお客様には大変申し訳ありませんが、コンサートより、リハーサルの方が面白いかもしれません。
僕たちの世代より上の世代の方々はやはり日本のチェロの歴史を各々築かれてきた方々ですので、本当に面白いし、興味深い。
今日リハーサルの最中に凄く不謹慎ではありましたが、政治家、とりわけ自民党民主党の事とだぶらせてこの団体を観察していました。
先日の自民党総裁選、若手と言われる人も立候補していましたが、なかなか若手の中で総裁になれる人はいません。
1度ぐらいやらせてみれば良いのになんて軽く思っていましたが、今日自分をそこにダブらせた結果、そりゃ無理だ。いくら努力しても諸先生方、諸先輩方の経験や、それに付随する人望等にはかないません。


この35人が一つの政党だとしましょう。そして、これは僕が優秀とかそういう事は関係なく、党首に立候補しようとしたとします。
まあ仲の良い、そして今度一緒にチェロカルテットでコンサートをする古川くんや、三宅くんは応援してくれるかもしれません。
そして頼めば同級の人、まあ頑張ってやってみろという先生の一人は応援してくれるかも知れません。
でも推薦人は集まらないな。集まっても、やっぱり1番年上のしかもあのパブロ・カザルスの愛弟子の平井先生や、桐朋学園の学長の堤剛先生、岩崎洸先生が党首になるのが自然でしょうね、どう考えても。


なんて、ずっといろんな事をリハーサル中に考えました。すみません皆さん。
でも一人として同じようなチェリストはいません。見事に。それぞれ35人が歩んで来た道という物はやはり尊敬に値しますし、いろんな道を見れるだけでも、本当に興味深いし、勉強になる。
20年後、またこういう機会が会った時、「裕康さんってなんかろくな人生じゃなかったみたいだねえ」なんて若手のチェリスト達に言われる事が無い様にしたいものです。
せめて、「あの人意外に頑張ってるよね」ぐらいのチェリストになっていたいと心から思いました。
明日もう1日リハーサルがあり、そしてツアーに出ます。


今までにメンバーこそ少し違いますが、チェロ・アンサンブル・サイトウキネンという団体で日本のツアーはもちろん、ロシア、フィンランドアメリカに連れて行って頂きましたが、あの頃はめちゃくちゃ若手でした。
その時は考えなかった事を今回は本当にいろいろと考えさせられます。
本当にチェロ以外の事で勉強になります。

これも僕もちょっと日本のチェリストの中では若手から中堅というカテゴリーに入ったからなのかもしれません。


とにかく本番は楽しみです。
来て下さるお客様、35人のチェロアンサンブル、どうぞご堪能下さい。
ちなみにサントリーホールの公演は満員御礼だそうです。名古屋、富山はまだ少しチケットはあるそうです。