八ヶ岳音楽堂でのコンサート

ロケーションとしては最高のホールです。言葉で説明出来ないのが悔しいし残念ですが、本当に素晴らしいホールでした。毎日あんな所で練習できて、週に一度とか演奏会が出来たら一生幸せに生きられるんでしょうね。そこに付随するホテルも一部屋一部屋が広く本当に気持ちのいい、また清潔感溢れるホテルで、一泊しかしなかった事が本当に悔やまれます。
さてコンサートの事ですが。
共演者は前回書かせて頂きましたが、チェロの苅田雅治さん、そしてバイオリンは豊嶋泰嗣、井上静香、ヴィオラは川本嘉子、青木篤子(敬称略)と僕でした。当たり前なのですが、豊嶋くんのバイオリン、素晴らしかった。矢部くんにしても豊島くんにしても、極上のバイオリン弾きには何か共通点があるんだと改めて思いました。昨日の夜、夜中、そして今日のコンサートが終わった後と豊嶋くんとは随分いろんな話をしました。主に、各々の夢の話。世の中に対して、または自分の音楽の事と共通点がかなりあり、かなり盛り上がりました。いやいや、素晴らしかったです。
川本嘉子(通称イネコ)は大学の同級生。最近しばらく共演の機会はありませんでしたが、最近何度か一緒なんですが、彼女も凄い進化したなぁと感動いたしました。演奏もさることながら、豊島くんもイネコも音楽に対してもの凄い純粋です。ああいう忙しくて売れっ子の演奏家は1日ちょろっとリハーサルして演奏会という印象がみなさん持っておられると思いますが、いやいや、びっしりリハーサルして、そしてゲネプロもびっしり。
そして本番の時の集中力たるや、半端ではありません。苅田さんも相変わらずいい味だしてたなぁ。若い井上さんも青木さんも僕が彼女達の歳の時はあんなにちゃんと出来なかった気がします。いやいやみなさん素晴らしかった。
兎に角、今回の演奏会はみなさんの音楽に対しての姿勢や純粋さ、そして集中力に脱帽です。
この集中力やや純粋さは、優秀なプレイヤーは必ず持っております。僕も技術もさることながら、こういうマインドや精神的な強さをもう少し磨きたいと思います。横浜のロータリークラブの演奏会でいつもお世話になっている方がこのコンサートに来てくださっていて、お会いできました。それに昔の名古屋時代の方からもお手紙を頂いたり本当にどこでどんな方にお会いするかわかりませんね。だから海の中でも月の上でも、全身全霊、これは基本ですね。
あと、このコンサートを企画してくださった武満徹さんの娘さんの武満眞樹さん、八ヶ岳高原ロッジの松井さん、本当に有り難うございました。

シェーンベルグの「浄夜

今夜は僕が浄められた夜でした。