横山幸雄ピアノトリオの夕べ

8日に兵庫県立芸術文化センターの小ホールで横山幸雄アノトリオの演奏会をしてきました。曲目はメンデルスゾーンのピアノトリオ第1番、ショパンノクターン13番・ハ短調、アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ、そしてベートーベンのピアノトリオ第7番「大公」。
兵庫県立芸術文化センターの小ホールに僕は初めて伺いました。舞台を取り囲むような客席で、雰囲気も響きも素晴らしいホールでした。と言っても、ゲネプロで楽器を弾いている時は今イチ自分の音がどのように聞こえているのかがなかなか想像出来ませんでしたが、アンコールで矢部くんが弾いたフォーレの子守唄をゲネプロの時に聴いた感じでは響きは最高でした。それでなにか安心出来たような気がします。
その日は朝起きたら信じられないぐらいの雨でした。これで楽器を持って衣装を持って傘をさして駅まで行くというのは不可能と思い、車で東京駅に向かいました。そして新幹線に乗る時に時々利用させてもらう「パーク&ライド」の駐車場がいきなり無くなっていました。青ざめました。探して新たな「パーク&ライド」のパーキングを見つけて車を停め、ギリギリで新幹線に乗り込む事ができました。その時はもうすっかり晴れて太陽が出ていましたが。矢部くんとしばらく新幹線で話し込んで途中からお互い寝不足の為に爆睡。すっきりして新神戸に到着しました。しかしその後新幹線が人身事故かなにかで2時間も止まっており、危ないところでした。それからホールに向かいリハーサルをしました。ほとんど休憩もなく開演ギリギリまでリハーサルしていました。
お客さんもいっぱい来て頂き、本当に感謝です。メンデルスゾーンはいかにもピアノトリオらしくいいテンポといい流れに制御されつつも、3人が自由に弾くというとてもいい感じで弾けたのではないかと思っております。一転、ベートーベンは楽譜の構造の素晴らしさ、決してメロディメーカーとは思えないけれども、発想と着眼の天才性、そして革命的と言えるほどの転調感や、構築のされ方等、全てが難しく、僕個人は少しメンデルスゾーンよりは固くなってしまった気がします。でもまあ共演者に恵まれてといいますか、二人の素晴らしさに僕も感化されたといいますか、とても楽しく、いい緊張感の中で演奏できました。
そのあと食事をして、二次会のピアノのあるピア・ジュリアンというショットバーで横山君はショパンエチュードをほぼ全曲弾いていました。
どうなってんの?
そして翌日、僕は9時台の新幹線で東京に戻りましたが、横山君は6時10分の新幹線で帰京しました。矢部くんは8時台。そしてその日に16時からジャパン・チェンバー・オーケストラの11日の長崎公演のリハーサルがありました。ショパンの協奏曲1番&2番です。もちろんピアノは横山君。
どうなってんの?
そして11日の1番&2番のコンサートの翌日、彼は福岡でショパンエチュード全曲のコンサートがあるそうです。
どうなってんの?
感じたのは、横山くんにしても矢部くんにしても、僕と違ってもの凄い体力と精神力があると言う事です。見習いたいですが、なかなかこればっかりは。こればっかりはというか、楽器を弾く技術、音楽性、音楽に対しての姿勢、全部見習わないといけないですがね。
驚異的です、あの二人は。