ジャパン・チェンバー・オーケストラ 第15回

昨日コンサートが終わりました。
いつもながらエキサイティングな舞台で、みなさんの集中力たるや尊敬に値するものでした。

その中で自分の仕事を、そしてそれ以上の物を探し出して何かに結びつけるこの団体に、毎度ながらびっくりしますし、自分も自分以上の物がなにか天から降りて来るようで、非常に興奮したステージとなりました。


どの曲も自分で言うのもみっともないですが、かなりうまくいったのではないかと思っています。
横山君が弾いたショパンのピアノ協奏曲第2番へ短調は、指揮者がいてもかなり困難を伴い、ソリストに合わせる事は本当に難しく、いつも終わった後にがっかりする事がほとんどでした。ところが昨日はオーケストラの全ての人がとにかくピアノを聴き、合わなさそうな部分などほとんどなく、しかもその上にただただ事務的にちゃんと合わせるだけでなく、非常にそれが音楽的であり、オーケストラとピアノがお互いに一つの目的に向かって文字通り「協奏曲」の本当にいい例となったのではないかと思っております。


メンデルスゾーンの「スコットランド」も、指揮者がいないという事から保守的になるのではなく、常に音楽が前を向き、どういう理由かわかりませんが、大きな流れが構築されていて、その中での個々の持っている力や音楽性を存分に発揮するというやはりちょっと信じられない現場でした。コンサートマスターの矢部くんのリードもさることながら、各セクションのトップ(山本友重、篠崎友美、山本修)の仕事が本当に素晴らしい仕事をしている為に、次から次へと新しい局面に入る事が出来るのもこのアンサンブルの素晴らしい事です。
管楽器の方々もコンサートマスターに合わせるというだけでなく、いろんな和音、フレーズ等を深く理解して音楽を構築しようとするパワーが逆に低音で和音や、フレーズの骨格を作る我々にとっては非常にそれを作りやすく、また新たな発見もあり、3日間のリハーサルと本番の計4日間は幸せな時間を過ごせました。全てのメンバーに感謝です。


明後日は矢部くんと横山くんと兵庫県芸術文化センターでピアノトリオの演奏会があります。
曲目はメンデルスゾーンのトリオ一番とベートーベンの「大公」を演奏します。あと3人が小品をそれぞれ。
このジャパン・チェンバー・オーケストラの練習の最中にこのトリオにリハーサルもしていましたが、本番にまたどういう所まで自分が行く事ができるのか、それはそれは楽しみです。


また公演終了後、この3人で朝まで食べて話して笑う事、不謹慎ですが、これが1番楽しみだと思います。

いや、ちゃんと演奏しますが。