宮崎国際音楽祭、そしてシューマンへ

宮崎国際音楽祭は国際の名がつく通り、規模も大きく、海外からのアーティストも数多く参加されています。
日本にいる数多くの素晴らしいアーティストから刺激はいっぱい頂いていますが、なにしろ、ヨーロッパの音楽界の動向、
エピソードなどはやはりそこに住んでいる人間からしか聞けない話というのもありますから、僕にとっては大事な時間でした。
東京アンサンブル等で海外公演のチャンスはあっても2年に1度のペースですから、やはり常に外国との友人達とも繋がっていたいです。
外国人だから楽しいと言う訳ではなく、本当に見識の高い彼等だからこそ、知らないヨーロッパの話や日本の率直な印象など、思いもしない目線からの話なのでとても興味深いです。

先日、宮崎に参加していた2年来の友人、エフゲニー・カプランというバイオリン奏者と東京で会い、食事をしました。
彼は
「今日は鎌倉に行って来た。もう涙が出そうだった。感動した。すばらしいお寺ばかりだった」
「自分のバルセロナの自宅で寿司パーティーが出来る様に、包丁をオーダーして買った」
「東京にも温泉があって入ってきた」
「明日は成田に向けて9時には上野を出発しなきゃいけないけど、5時半に起きて築地に行く」
とかもう東京に住む我々顔負けの行動にびっくりしました。
「日本で仕事を探したい」
とまで言う程、日本が好きでたまらない様子でした。
5カ国語を操る彼は、来年には日本語を話したいとも言っていました。本当に話しそうで怖いです。

しかし、そんな楽しい時間が永遠に続く訳もなく、シューマンのコンチェルトに向けて頑張らないと。音楽祭の期間中もこそこそと頑張ってはいたのですが、これからの10日が勝負です。
体調も整えて万全にして6月7日を迎えたいと思います。

いつかは宮崎の様な大きな音楽祭とは対極をなすかもしれませんが、なにか一種独特な小さな音楽祭を作りたいとも思っています。
素晴らしいトップレベルの音楽家達が、「お金を払うから、今年は出演させて欲しい!」と言ってくる様な、そんな音楽祭は作れない物かと
最近ずっと妄想しながら喜んでいます。

妄想より今は練習です。
練習ももちろんですが、体調をちゃんと管理することはもっと難しい事です。

さて、再び練習いたします。