宮崎音楽祭 雑記

全ての公演が終了いたしました。
最後の公演にはホルスト作曲の「惑星」が演奏されました。一曲一曲の前にナレーションが入り、大きなスクリーンにNASA提供の映像と写真を映し出すというコンサートで、ステージ上ではオペラのピットの中の様に暗くして、楽譜灯で演奏しました。
今の様に誰しもが木星土星、金星等の映像を見る事ができない時代にホルストが想像でこのような曲を書いたと言う事が信じられません。
過去の歴史にも僕は非常なロマンを感じますが、まだまだ誰も知る事がない惑星の数々を想うと本当に壮大なロマンに包まれます。
とはいえ、その映像を見ながら演奏をする事は出来ないので、残念でしたが、1度、そんな映像と共にこの「惑星」を聴いてみたいと思います。


この宮崎音楽祭にはいつも楽しみにしている事があります。
5年前からですが、ヴェルヴィエ・フェスティバル・オーケストラからピックアップメンバーがこの宮崎音楽祭のオーケストラに参加する事です。毎年毎年チェロの古川展生くんと僕が、彼らの接待役です。
カラオケに連れて行ったり、彼ら曰く「宮崎ビーフ」を食べたいと言えば一緒に行き、「宮崎チキン」が食べたいと言えば地鶏を食べに行き、本当に楽しい時間を過ごさせてもらっています。


ヴェルヴィエ・フェスティバル・オーケストラとは世界中からオーディションによって集められた若き才能達が世界的指揮者の指導を受け、世界中をツアーしている凄いプロジェクトのオーケストラです。そこから世界中のオーケストラの主要ポストに就いているみたいです。
そんな若い才能達と交流を持ち、何を考えているのかを話すのが本当に幸せな時間です。ア
メリカ人、フランス人、ドイツ人、ロシア人、ギリシャ人、イスラエル人等々、本当に世界中から来ています。
中には複数回宮崎に参加している「旧友」もいて、再会もまた一つの楽しみでもあります。


それにしても彼らの語学力にはもう感心する事しきり。2、3カ国の言語を話すのは当たり前です。
6カ国話せる「旧友」がいて、彼はいつか日本語も話せるようになりたいと言っていました。
そんな彼らの共通言語はもちろん英語ですが、恥も外聞もなく超いい加減な英語でしゃべりまくる僕を本当に歓迎してくれる彼らには心から感謝しています。
毎年毎年、彼らとの別れは本当に辛いです。しかしその度にメールアドレスを交換し合い、酷い英語のメールを書いて送っています。


若い彼等の話を聞くと音楽のみならず、政治、経済、環境等、本当に多岐に渡った事にもの凄い考えや哲学を持っています。
自分の若い頃を思い出すとなんとも情けない。
アメリカ人とは今回「ちゃんこ鍋」を食べながら、大統領選挙の話で盛り上がりましたが、日本で見るテレビでのニュースや、ネットで読むニュースからはとても見えて来ない側面を知れて本当に面白かった。


毎年、もっと英語を話せる様にならなきゃと強く思って宮崎から帰る事がもう5年も続いているわけです。
フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、決して欲張りません。英語だけでいいのです。