東京クライス・アンサンブル 第1回終了

今日、第1回の公演が終わりました。
ブラームスの6重奏の1番で始まり、カルテットの第2番、ピアノカルテットの第1番と長いコンサートでした。
お客さんが1番大変だったんではないかとみんなで言っていました。
会場は満員で、来て頂いたお客様には本当に感謝しております。有り難うございました。


僕は6重奏だけでしたので、ゲネプロや本番でカルテット、ピアノカルテットを聴かせて頂きました。
その感想ではありませんが、僕以外のチェロの先輩の事について書きたいと思います。


まず河野文昭さん。カルテットの第2番を弾かれました。
後輩の僕が言うのもなんですが、「しかし、やるなぁ」と思わず言ってしまうようなチェロを弾いていました。
ブラームスのカルテットはかなり和声も声部も入り組んでいて複雑ではありますが、見事にその和声をバスとして、またメロディとして表現されていました。この和声感は思っているだけでは表現出来ません。
かなりのテクニックも必要ですし、コントロールはミリ単位、いやナノ単位で行わないと表現出来ません。
それを見事に表現されていましたし、また音も素晴らしかった。
学生を終えた頃に初めて河野さんに出会っていろんな事を教えて頂きましたし、それを超えたいと思って努力して来ましたが、まだまだ先を走っていらっしゃいました。勉強になりました。


次は6重奏とピアノカルテットを弾いた花崎薫さん。
花崎さんは新日フィルの首席奏者を長年務めてらっしゃいますが、オーケストラで仕事をしてきた嗅覚というか、情報収集にとても長けています。一瞬の流れの変化を読み取り、その変化の中で自らの表現を貫く。
これは簡単なようで、なかなか出来ない事です。
ただただ自らを貫くだけであればこんなに簡単な事はありません。
変化に合わせて自分を殺してその変化に巧く合わせる事もとても簡単な事です。
それを同時にやる事がやはり経験であり、耳の良さであり、自分の表現の確信だと思うんです。
花崎さんは見事でした。


やはり普段いつも一緒に演奏していないチェリストの演奏を聴く事は本当に勉強になります。
二人の素晴らしき先輩のブラームスを聴けた事は、勉強して6重奏を今日弾いたと言う事よりもひょっとしたら勉強になったかもしれません。次回がまた楽しみです。


明日から再びシュナイトさんでブラームスのシンフォニーの第1番とピアノ協奏曲の第2番のリハーサルが始ります。
ピアノ協奏曲の第2番の第3楽章にあるチェロの信じられないぐらい美しいソロ。なんとかしたいものです。


っていうかなんとかならないかな。
もう今からめちゃくちゃドキドキしちゃってますからね。眠れるのかな、今晩。