ブルックナー ミサ曲へ短調

今日、みなとみらいホールにて、今年度最後の神奈川フィルの定期演奏会がありました。
曲はブルックナー作曲のミサ曲へ短調。指揮はハンス・マルティン・シュナイトさんでした。厳しかった、この一言につきます。


怒鳴られる事は10分に一度、その怒り方が尋常ではありません。
もっともこちらが悪いのですから、怒鳴られて当然なんですが、それにしても厳しかった。いつもシュナイトさんは厳しいのですが、とりわけ宗教曲は半端ではありません。

彼自身敬虔なクリスチャンで、敬虔なカトリック教徒として生涯を送ったブルックナーの曲ともなると、それはそれは1秒たりとも気を抜く事は許されません。
どんな時だって気を抜いてはいけないのでしょうが、一瞬気を抜いた瞬間に怒号が。
練習初日から本番まで同じ緊張感でした。


しかしシュナイトさんしか出せないサウンドがあるから不思議です。
ブルックナーのミサ曲というある意味マイナーに属する曲を絶対にこうなんだと確信して語る、やはり指揮者というのはこれぐらいの確信がないとダメなんでしょうね。
厳しかったですが、素晴らしいミサ曲と演奏でした。


僕にとって圧倒的に足りない事はブルックナーにおいては宗教観です。
それとドイツ語のテキストについての無知でしょうかね。ある程度それはしょうがないと思って生きて来ましたが、ちょっと今回はその自分の無知に腹が立ちましたし、恥ずかしい想いを持ちました。


シュナイトさんが、ゲネプロが終わった時に


「こういう曲を演奏出来ると言う事を自分の信じる神様に感謝してください。厳しく練習しましたが、音楽とはこれぐらい真剣なものです」


とおっしゃいました。


甘かったな、僕は。
甘かった。


4月からはシュナイトさんの音楽堂のシューマン・シリーズが始りますが、シューマンを確信もって語り、シリーズが出来るという事が凄い。シューマンはあまりに有名な作曲家でありながら、明確な事を語った人にまだ出会った事がありません。楽しみですが、だけど、相当覚悟もしております。
なんか今日は落ち込みました。自分の無知に。